1993 Fiscal Year Annual Research Report
エンドセリン誘発収縮に関与する新しい因子の検索とそのクローニング
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05404019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
眞崎 知生 京都大学, 医学部, 教授 (60009991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 治明 京都大学, 医学部, 助手 (80212124)
沢村 達也 京都大学, 医学部, 助手 (30243033)
越村 邦夫 京都大学, 医学部, 助手 (90192575)
三輪 聡一 京都大学, 医学部, 助教授 (40157706)
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Keywords | エンドセリン / カルシウム / カルシウムチャネル / カルシウムインフラックス / メフェナム酸 / カルシウム拮抗薬 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
本年度はまずエンドセリンの血管収縮の作用機序について検討した。ET-1刺激により細胞内の遊離カルシウムイオン濃度は一過性に上昇後一定の濃度で長時間持続する。この一過性の相は細胞内カルシウムプールに由来し、後の持続相は外液のカルシウムイオンの流入による。しかし、ET-1の受容体への結合速度は遅いため、低濃度でのエンドセリン誘発血管収縮には細胞内カルシウムプール由来の一過性のカルシウムイオン上昇より外液のカルシウムイオン流入の方が重要である。そこでどのチャネルがこのカルシウムイオンを透過させるかを検討した。ブタ冠動脈平滑筋では、エンドセリンは比較的高濃度で電位依存性カルシウムチャネルを開くことが示された。一方エンドセリン受容体および電位依存性カルシウムチャネルを持たないラットL細胞にヒトETA受容体cDNAをトランスフェクトしET-1で刺激、電流をwhole cell patch clamp法で測定した。その結果ET-1で刺激すると内向き電流が増加すること、外液のナトリウムイオンをN-メチル-D-グルカミンにかえてもこの内向き電流増加は存在しメフェナム酸によって完全に抑制出来ることから、エンドセリンによって非選択的カチオンチャネルが開口し外液カルシウムイオンが流入することが示された。実際ウサギ大動脈リング標本にエンドセリンで誘発された収縮をメフェナム酸がある程度抑制する。これにニカルジピンを加えると相加的にこの収縮を抑制した。一方一酸化窒素による平滑筋弛緩のメカニズムを検討するためにまずニトロプルシッドによる血小板の細胞内カルシウムイオン濃度の検討を行った。ニトロプルシッドによって細胞外からのカルシウムイオン流入が抑制された。このメカニズムをさぐるためcGMPによってリン酸化される蛋白質の解析、およびカルシウムインフラックスに影響を与える因子について検討中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Sawamura,T.: "Characterization of phosphoramidon-sensitive metallo-proteases with endothelin converting enzyme activity in porcine lung membrane" Biochem.Biophys.Acta. 1161. 295-302 (1993)
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[Publications] Sakamoto,A.: "Distinct subdomains of human endothelin receptors determine their selectivity to endothelin_A-selective antagonist and endothelin_B-selective agonists" J.Biol.Chem.268. 8547-8553 (1993)
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[Publications] Tomobe,Y.: "Arginine-vasopressin increases the release of ET-1 perfusate of rat mesenteric artery" Biochem.Biophys.Res.Commun.191. 654-661 (1993)
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[Publications] Giaid,A.: "Expression of endothelin-1 in the lungs of patients with pulmonary hypertension" N.Eng.J.Med.328. 1732-1739 (1993)
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[Publications] Onizuka,M.: "Plasma levels of endothelin-1 and thrombin-antithorombin III complex in patients undergoing open-chest surgery" J.Thoracic Cardiovasc.Surg.105. 295-302 (1993)
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[Publications] Sakamoto,A.: "Pseudo-noncompetitive antagonism by BO-123 of intracellular calcium transients mediated by human ET_A endothelin receptor" Biochem.Biophys.Res.Commun.(in press). (1994)
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[Publications] Masaki,T.: "Endothelin as a vascular hormone in Progress in Endocrinology" Parthenon Publishing, 3 (1993)
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[Publications] Fujiwara,M.: "Endothelin-thromboxane system in vascular activity in Thromboxane A_2 and other vasoconstrictors in clinical conditions" Scientific Press, 14 (1993)