1994 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス遺伝子導入モデルによる肝炎発症機序および肝発癌機構の解析
Project/Area Number |
05404030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 武信 大阪大学, 医学部, 教授 (80028399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 英治 大阪大学, 医学部付属病院, 医員
竹原 徹郎 大阪大学, 医学部付属病院, 医員
片山 和宏 大阪大学, 医学部付属病院, 医員
笠原 彰紀 大阪大学, 医学部, 助手 (70214286)
林 紀夫 大阪大学, 医学部, 講師 (00144478)
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Keywords | 遺伝子導入 / C型肝炎ウイルス / 陽電荷リポソーム / 発現ベクター / ラット / 肝炎発症機序 / 肝発泡機構 / β-ガラクトシダーゼ |
Research Abstract |
陽電荷リポソームを用いて、HCVの全塩基配列の発現モデルの作製を行った。 プラスミトのDNAと陽電荷リポソームの複合体を作製し、これをラットの胆管より逆行性に肝内に注入した。β-ガラクトシダーゼ発現ベクターを用いた検討により、このシステムではリポソーム:プラスミドの重量比が4:1の時の最大の発現が得られ、約0.1%の肝細胞において一過性の遺伝子発現が可能であった。次に、慢性C型肝炎患者の血漿によりクローニングした9kbのHCVCDNAをβ-アクチンプロモーターの下流に挿入した発現ベクターを構築し、これをラットの肝に導入した。導入2日後のラット肝を摘出し、転写の有無をRT・PCR法、蛋白の発現の有無を免疫組織学的に検討した。ラット肝より抽出した総RNAをDNaseI処理したものをサンプルとし、逆転写後 コア領域 NSS領域に設定した。2対のプライマーを用いて、40サイクルのPCRを行ったところ、それぞれ陽性のシグナルを得た。一方同じサンプルを用いて逆転写を行わずにPCRのみを行うとこのような陽性シグナルが得られなかったことから、この陽性シグナルは残存する可能性のあるベクターDNAにするものではなく、実際にラット肝内でHCVcDNAからRNAへの転写が行われていることが明らかになった。またHCVコア抗体を用いた免疫組織染色により、小葉内の少数の肝細胞質にHCVコア蛋白の発現が確認された。 以上、本方法を用いることにより、HCV感染の宿主域を超えた疾患モデルの作製が簡便に行えることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kanto T,Hayashi N,Takehara T,etk al.: "Buoyant density of hepatitis C virus recovered from infected hosts." Hepatoloqy. 19. 296-302 (1994)
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[Publications] Naito M,Hayashi N,Hagiwara H,et al.: "Serial quantitative analysis of serum hepatitis C." Journal of Hepatoloqy. 20. 755-759 (1994)
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[Publications] Yuki N,Hayashi N,Kasahara A,et al.: "Hepatitis C virus replication and antibody responses toward specific hepatitis C Proteins." Hepatology. 19. 1360-1365 (1994)
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[Publications] Haruna Y, Hayashi N,Kamada T,et al.: "Expression of hepatitis C virus hepatocellular" Cancer. 73. 2253-2258 (1994)
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[Publications] Osita M, Hayashi N,Kasahara A,et al.: "Increased serum hepatitis C Virus RNA levels among alcoholic patients with chronic hepatitis C." Hepatology. 20. 1115-1120 (1994)
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[Publications] Takehara T,Hayashi N, Miyamoto Y,et al.: "Expression of the hepatitis C virus genome in ratliver after cationic liposome-mediated in vivo gene transfer" Hepatology. in press.