1994 Fiscal Year Annual Research Report
ジーン ターゲッティングを用いた動脈硬化の病態解明と治療への応用
Project/Area Number |
05404033
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部(病), 教授 (20101090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 由紀子 東京大学, 医学部(病), 医員
栗原 裕基 東京大学, 医学部(病), 助手 (20221947)
児玉 龍彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (90170266)
永井 良三 東京大学, 医学部(病), 助教授 (60207975)
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Keywords | 動脈硬化 / 発生工学 / ジーンターゲッティング / マクロファージ / 平滑筋細胞 / 内皮細胞 / エンドセリン / スカベンジャー受容体 |
Research Abstract |
1995一般A 当該年度 動脈硬化の予防、治療法の開発のため発生工学の血管生物学への応用のため、次の研究を進め成果をあげた。 第一に、アテロームの泡沫細胞形成に関与するマクロファージのスカベンジャー受容体欠損マウスの樹立に成功した。スカベンジャー受容体欠損マウスはマクロファージの分布、形態異常を示し、スカベンジャー受容体がマクロファージの接着因子として重要であり、アテロームへのマクロファージ集積にも関与していることを示唆している。欠損マウスのマクロファージはアセチルLDLのみでなく酸化LDL、AGE、エンドトキシンのLPSなど広範な異物、老廃物のとりこみ活性の低下を示し、これらの処理に関与していることが証明された。 第二にエンドセリン欠損マウスでの血圧上昇の解析がすすみ、末梢血管の抵抗の上昇がこの高血圧の成因として重要と考えられ、エンドセリンの作用は内皮=平滑筋細胞の局所での役割が重要であることが示されてきた。さらにエンドセリンプロモーターをもちいたエンドセリン過剰発現マウスの作成に成功し、欠損マウスとの交配によるgenetic rescueの試みが開始されている。 第三に、平滑筋細胞に形質転換の機構解明のため、ミオシン重鎖の発現制御機構の解析が進められた。またNa/K antiporterの過剰発現マウスを用いての高血圧モデルの作成に成功した。 これらの成果を基礎に、マウス発生工学の血管生物への応用が急激な展開を見せ、C57BL6系統でのアテロームモデルを基礎に治療薬の検討を進めた。さらに糖尿病モデルであるグルコキナーゼ欠損マウスの樹立、動脈硬化モデルであるアポE欠損マウス、LDL受容体欠損マウスのコロニー化も進め、さまざまな新規マウスモデルをこれらと交配し、血管病変に関与する複数遺伝子の解析が進められている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H Suzuki,Y Yazaki et al.: "Production of a germ-line chimera by coculture of zona-free embryos with frozen-thawed embryonic stem cells." J Reprod Develop. 40. 361-365 (1994)
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[Publications] Kurihara Y,Yazaki Y et al.: "Elevated blood pressure and craniofacial abnormalities in mice deficient in endothelin-1." Nature. 368. 703-710 (1994)
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[Publications] Maemura K, Yazaki Y et al.: "Isolation and characterization of vascular endothelial cells derived from mice lacking endothelin-1." Biochem.Biophys.Res.Commun. 201. 538-545 (1994)
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[Publications] Maemura K, Yazaki Yet al.: "Renal endothelin and hypertension-reply." Nature. 372. 50 (1994)
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[Publications] T.Doi,T.Kodama et al.: "The histidine interruption of an a-helical coiled coil allosterically mediates a pH dependent ligand dissociation from macrophage scavenger receptors" J.Biol.Chem.268. 25598-25604 (1994)
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[Publications] M Kuro-o,Y Yazaki et al.: "Salt-sensitive hypertension in trasgenic mice overexpressing Na-proton exchanger" Circ Res. 76. 148-153 (1995)
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[Publications] Kurihara Y,Yazaki Y et al.: "Establishment of mice carrying the mutant endothelin-1 gene by gene targeting." In Endothelium-derived factors and vascular fonctions.(ed.Masaki T,Excerpta Media Amsterdam). 87-92 (1994)