1993 Fiscal Year Annual Research Report
Biological modificationによる新たな人工血管の開発・研究
Project/Area Number |
05404044
|
Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
多田 祐輔 山梨医科大学, 医学部, 教授 (70010246)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 俊哉 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50206322)
神谷 喜八郎 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90111509)
|
Keywords | 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 細胞培養 / 人工血管 |
Research Abstract |
〈研究実績の概要〉 以前より我々はイヌを用いて細胞培養及び作成した人工血管の移植を行ってきた。しかしながら最近の社会的事情からイヌを用いる実験は実際上不可能に成りつつあるため、実験継続の為には動物腫を変更する必要があると判断した。臨床で最も遠位バイパスを行う必要のある患者は閉塞性動脈硬化症であることから、高コレステロール血症や高血圧のモデルを作り易いウサギを選ぶこととした。全身麻酔下にウサギに経口挿管し呼吸、循環動態の安定を得た後、両側外頚静脈を無菌的に採取した。静脈の直径は約2mmでイヌよりはるかに細くイヌと同じ方法(canulation法)では内皮細胞を採取することは不可能であった。そのため細胞の採取方法を変更する必要に迫られた。まず静脈を採取し、無菌的に滅菌したパスツールピペットの上に翻転した(翻転法)。まず内腔に付着した血液を軽く洗浄し、パスツールピペットを翻転された静脈が覆っている部分だけになるように折り、そのまま全体を0.1%の中でincubateした。10分後引き上げ、全体を再びHBSSで軽く洗い流し遠心下のpelletの中に細胞塊を得た。こうして得られた細胞を培養液で浮遊細胞液とし培養機内のフラスコ上で静置培養した。位相差顕微鏡で観察した内皮細胞は、イヌやヒトに比べて細長く、細胞採取率は低く、他の細胞のcontaminationも多かった。また平滑筋細胞はほとんど培養できなかった。現在の問題点はこの2種類の細胞の初代、及び継代の培養法を確立することであり、その方法はまだ一定していない。
|