1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404059
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Research Institution | NAGOYA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
馬嶋 昭生 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00079972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 晋一 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90281261)
宇野 真 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50264726)
尾関 年則 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (60254299)
朱雀 五十四 厚生連知多厚生病院, 眼科, 部長 (40226486)
白井 正一郎 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (30080063)
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Keywords | レチノイン酸 / Ctsマウス / 小眼球症眼瞼 / グリコサミノグリカン / CHARGE連合 / 神経堤細胞発生異常 |
Research Abstract |
基礎的研究:1)レチノイン酸を妊娠7日マウスに投与し、18日胎仔を観察した。全胎仔の95.5%に小眼球がみられ、対照郡に比べて有意に多かった。組織学的には、無眼球(小眼球症から無眼球に変性したのを含む)38.6%、小眼球47.7%の他に胎生裂閉鎖不全、硝子体形成異常、前房隅角形成異常などがみられ、これらも生後は小眼球症になるものが殆どで、レチノイン酸は神経堤細胞遊走障害により小眼球を発生させることがわかった。2) Ctsマウスヘテロの対立遺伝子の影響を検討するため、ホモとDBAマウスを交配させた交雑第一代の白内障と小眼球症の発現を検索した。交雑第1代は生後2〜3週から白内障が明らかになり、生後1〜2週で水晶体の線維細胞が膨化し、生後2か月から崩壊した水晶体の一部が硝子体中に脱出した。交雑第1代は、ヘテロより時期は遅れるがDBAマウスに比べて小眼球で白内障も発現し、対立遺伝子によりヘテロの特性に差が出ることが証明できた。3)眼瞼の発生はself-determiningであり、Ctsマウス眼瞼の発生は正常と差はなかった。組織化学的にグリコサミノグリカンの変化は、正常マウス眼瞼真皮に含まれるコンドロイチン硫酸(CHS)異性体が生後0日にCHS-A/CからCHS-Bへ変わったが、ホモでは生後4日にCHS-Bが主体になった。眼瞼真皮内のヒアルロン酸は生後4日まではホモの方が多く、組織学的に成熟が遅れていることが証明された。 臨床的研究:ぶどう膜コロボ-マ72例中13例がCHARGE連合と診断され、その内眼軸長が測定できた10眼中5眼に小眼球がみられた。その他に種々の眼及び全身的先天異常がみられ殆どが神経堤細胞発生異常によるものであった。Axenfeld-Rieger症候群19例中2例3眼が小眼球であった。非常に稀な合眼症の1例も剖見ができ、強膜を共有し、左右に2個の角膜、水晶体及び網膜が存在した組織相互作用の歪みによる小眼球であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 尾関 年則・他: "Peters奇形2例の組織化学" 日本眼科学会雑誌. 100・6. 471-477 (1996)
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[Publications] 野崎 実穂・他: "合眼症の1例" 日本眼科紀要. 47・8. 1028-1032 (1996)
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[Publications] 水野 晋一・他: "水晶体胞分離過程の組織化学的検索" 日本眼科学会雑誌. 101・1. 46-51 (1997)
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[Publications] 朱雀 五十四・他: "CtsマウスとDBAマウスの交雑第1代に発現する白内障と小眼球" 日本眼科紀要. 48・2(印刷中). (1997)
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[Publications] 尾関 年則・他: "レチノイン酸によるマウス胎仔の眼形成異常" 日本眼科学会雑誌. 101・4(印刷中). (1997)
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[Publications] 東本 栄治・他: "CHARGE連合の眼および全身随伴異常" 臨床眼科. 51(印刷中). (1997)