1995 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル蛋白に関する免疫組織化学と免疫化学によるエナメル質形成機構の解析
Project/Area Number |
05404060
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
内田 隆 広島大学, 歯学部, 教授 (50150305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 千景 広島大学, 歯学部, 助手 (60253085)
里田 隆博 広島大学, 歯学部, 助手 (80170801)
高橋 理 広島大学, 歯学部, 助教授 (70163243)
深江 允 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (40064373)
|
Keywords | エナメル質形成 / エナメル蛋白 / アメロゲニン / エナメリン / シースリン / 免疫組織化学 / 免疫化学 |
Research Abstract |
ブタ歯胚のエナメル蛋白に関して、分子生物学的、生化学的、免疫化学的、光顕および電顕免疫組織化学的に検索し、以下の結果を得た。 1.小柱鞘蛋白のクローニングを行い、全アミノ酸配列を決定して、それをシースリンと名付けた。シースリンは380または395のアミノ酸残基よりなり、そのN端側に26アミノ酸残基よりなるシグナルペプチドを持っている。シースリンはラットのアメロブラスチンと塩基配列で77%、アミノ酸配列で66%の相同性を持っていた。シースリンのC端部付近にはリン酸化された糖鎖がついていると考えられるが、その部位は推定できなかった。 2.シースリンは分泌後速やかに分解され、そのN端側約100〜150アミノ酸残基を含むフラグメントは13-17kDaの小柱鞘蛋白となって小柱鞘に局在する。C端側95アミノ酸残基は29kDaカルシウム結合蛋白となり、このC端部約20アミノ酸が切断されると27kDaカルシウム結合蛋白となる。両者はリン酸化された糖蛋白であり、幼若エナメル質表層のみに局在する。シースリンの分子中央部は特定の構造に局在せず、速やかに分解される。 3.エナメリンのクローニングを行い、全アミノ酸配列を決定した。エナメリンは1104のアミノ酸残基よりなり、エナメル芽細胞より分泌されたエナメリンは、分子量約150kDaでエナメル質最表層に位置し、ヒドロキシアパタイトに新和性を持たないと考えられる。エナメリンの分解産物のうち、N端側631アミノ酸残基よりなるフラグメントがヒドロキシアパタイトに親和性を持つ分子量89kDaエナメリンとなる。この89kDaエナメリンがさらに分解して、136番目から238番目のアミノ酸残基よりなる部分が32kDaエナメリンとなる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T. Uchida: "Immunochemical and immunocytochemical study of a 15 kDa non-amelogenin and related proteins in the porcine immature enamel:proposal of a new group of enamel protein 'sheath proteins'" Biomedical Research. 16. 131-140 (1995)
-
[Publications] M. Fukae: "Primary structure of porcine 89 kDa enamelin. In: Proceeding of the 3rd Caloline Conference on Tooth Formation." (in press),