1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404062
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 哲 東京医科歯科大学, 歯学部・生化学, 教授 (80013803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 ミチ子 東京医科歯科大学, 歯学部・生化学, 技官 (80171255)
高木 亨 東京医科歯科大学, 歯学部・生化学, 講師 (20124696)
下川 仁弥太 東京医科歯科大学, 歯学部・生化学, 助教授 (80014257)
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Keywords | エナメル質 / 石灰化 / たんぱく質 / カルシウム |
Research Abstract |
エナメル質は咬合咀嚼の機能を生涯にわたって維持する目的のために、生体内で最も硬い組織である。この形成の過程で、エナメル芽細胞によりまずAmelogeninとEnamelinとからなるタンパク質性基質が合成分泌され、その中で、アパタイト結晶の析出と成長が進行し、最終的に有機基質は除去されて、大きく、方向性の揃った結晶をもつエナメル質が完成する。 このようなエナメル質の形成ならびに成熟機構に関する変化を知る目的で、多種の研究方法を用いて研究を行った結果、以下の成果を得た。 (1)エナメル基質中のAmelogenin性ペプチドの精製と同定 ウシ幼若エナメル質を用い、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動法を利用して精製されたAmelogenin由来ペプチド、タンパク質のアミノ酸配列を決定した。 (2)エナメル基質中のタンパク分解酵素の精製と作用機序に関する研究 エナメル基質中にはAmelogenin分子を加水分解する酵素の存在が確かめられた。この分解酵素を抽出精製し、酵素学的特徴を機能を明らかにした。pH指示薬によりウシ幼若エナメル質の酸性および中性部分にわけて分離採取し、各部位に存在する無機質、タンパク質、酸性、中性プロテアーゼなどの性質を明らかにした。 (3)酵素によるAmelogenin分解産物の精製とアミノ酸配列の決定 ウシ幼若エナメル質より酸性プロテアーゼを抽出純化し、おなじウシ幼若エナメル質から分離精製したフルサイズのAmelogeninを基質として作用させると、N末端部のアミノ酸45個からなる「チロシンに富むペプチド」が遊離することが確かめられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 高木亨、鈴木ミチ子、佐々木哲他: "エナメル質蛋白の石灰化に対する影響" 日本硬組織研究技術学会誌. 2. 30-39 (1993)
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[Publications] 高木亨、佐々木哲、青木秀希他: "エナメル質形成と炭酸の役割" 歯科基礎医学会誌. 35. 338-348 (1993)
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[Publications] 日名雅彦、高木亨他: "ヒト胎児およびラット歯胚のアメロジェニン、IV型コラーゲン、フィブロネクチン局在の免疫組織化学的研究" 日本口腔科学会誌. 42. 659-664 (1993)
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[Publications] M.Akao,M.Sakatume,H.Aoki,T.Takagi,S.Sasaki: "In vitro mineralization in bovine tooth germ cell cultured with sintered hydroxyapatite" J.Materials Science. 4. 569-574 (1993)
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[Publications] 佐々木 哲: "Bone Science講座II 骨形成と骨吸収及びそれらの調節因子" 広川書店 (印刷中),