1993 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の顎骨浸潤に関する実験的研究-大研磨片のマイクロラジオグラフィ,ラベリング法,血管造影法と染色像による骨破壊像の観察-
Project/Area Number |
05404070
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
千葉 博茂 東京医科大学, 医学部, 助教授 (80105478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 俊哉 東京医科大学, 医学部, 助手 (10241051)
下川 千可志 東京医科大学, 医学部, 助手 (40226270)
内田 安信 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074487)
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Keywords | VX2癌 / 移植癌 / 骨浸潤 / 研磨片 |
Research Abstract |
実験動物としてウサギを用い,その口底部に癌を発生させる.口底癌は下顎歯肉に増生し下顎骨に浸潤するが,その破壊様式を硬組織ラベリング剤による時刻描記法と研磨片のマイクロラジオグラフィによって径日的に観察しようと試みた.まず,予備実験として0.5%DMBAアセトン溶液を週3回,ハムスターの舌下口底部に塗布と同時に擦過して実験的に癌を誘発した.この発癌実験では13週目以降,口底部に肉眼的に癌を思わせる変化が出現し,病理組織学的にも全例が扁平上皮癌であった.この病理組織学的ならびに免疫組織化学的研究結果は本年度の学会誌に掲載する予定である.しかし,この方法では【.encircled1.】発癌までに時間がかかりすぎること,【.encircled2.】効率が悪く発癌しない動物が生ずることのために,さらに良い発癌方法を検討した. そこで,現在われわれはVX2癌に注目し,これをウサギの口底部と頬側歯肉部に移植してその後の両者の変化を比較した.移植癌は極めて活発に増生し約5週で下顎骨に浸潤する.ただし,口底部の移植癌は舌を圧排して食餌摂取が不可能になる例があり,また,癌が頬側歯肉の深部(骨膜側)に移植されると早くも3週後には顎骨を破壊するため,経日的な観察が出来ない等の問題が生じている.現在さらにウサギを飼育中で,今後も引き続いて移植部位の決定と,癌を均一な深さに移植するための手段を検討する予定である.いずれにしても,現在まで屠殺したウサギは全例下顎骨を摘出し,軟X線像を撮影した.現在,下顎骨を歯軸に対して水平断して連続した試料とし,脱水樹脂包埋作業中である.
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