1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404079
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 紘一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (80011948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨岡 茂雄 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教務職員 (90159046)
反町 洋之 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (10211327)
石浦 章一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10158743)
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Keywords | カルパイン / カルパスタチン / カルシユム / プロテアーゼ |
Research Abstract |
カルパインの構造と機能を中心に解析を行ない、次のような結果を得た。 1)ニワトリ骨格筋のcDNAライブラリーから、これまでに同定した2種類のカルパインとは異なる新しい分子種を同定した。この分子種は699残基のアミノ酸からなり、哺乳類のmカルパインと80%のアミノ酸配列の相同性を示した。この結果、これまでにm型と見なしていたものはμとmの中間型で、今回新しく発見されたものがm型であると同定された。ニワトリ骨格筋にはμ、m、μ/m型の3種類の普遍的に発現する分子種が存在することが明らかになった。ここで明らかになった第3の分子種μ/mが、ニワトリ以外の生物に存在するか否かが大問題で、引続き検討している。 2)細胞核を中心に骨格筋に存在するp94を検討した。p94が非常に速く分解する理由を明らかにするため、種々のcDNAのコンストラクトを細胞で発現させて検討した。p94のみに特異的に存在する3種類の配列、IS1,IS2,NSのうち、IS2を除去するp94は安定に発現した。また、活性中心を変換したcDNAの発現からこの分解は自己分解であることを証明し、同時に、活性中心がアミノ酸配列の相同性から推定していた通りのCysとHisであることが判明した。IS2には各移行シグナル様配列が有り、これが実際に機能して核移行が起こることも証明した。IS2には蛋白質の分解を規定するシグナルも含まれていると思われ、この点についてはさらに、検討している。 3)カルパインの量を種々の病態サンプルで測定し、カルパインの機能を推定するため、RT-PCR法を使うカルパインのmRNAの極微量定量法を開発した。特異的な1組のプライマーをカルパインの各分子種の大小サブユニットに対して合成し、細かな測定条件を検討して定量法を確立した。
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[Publications] Suzuki,K.: "In Situ capure of mu-calpain activation in platelets." J.Biol.Chem.268. 7422-7426 (1991)
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[Publications] Suzuki,K.: "Muscle-specific calpain,p94,is degraded by autolysis immediately after translation,resulting in disappearance from muscle." J.Biol.Chem.268. 10593-10605 (1993)
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[Publications] Suzuki,K.: "A novel tissue-specific calpain species expressed predominantly in the stomach comprises two alternative splicing products with and without Ca2+-binding domain." J.Biol.Chem.268. 19476-19482 (1993)
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[Publications] Suzuki,K.: "Calpastatin has two distinct sites for interaction with calpain.Effect of Calpastatin fragments on the binding of calpain to membranes" Arch.Biochem.Biophys.305. 467-472 (1993)
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[Publications] Suzuki,K.: "Calpain-calpastatin system of canine basilar arteryin vasospasm." J.Neurosurg.79. 537-543 (1993)
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[Publications] Suzuki,K.: "Spatial resolution of fodrin proteolysis inpostischemic brain." J.Biol.Chem.268. 25239-25243 (1993)