1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404079
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 紘一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (80011948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨岡 茂男 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教務職員 (90159046)
反町 洋之 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (10211327)
石浦 章一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10158743)
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Keywords | カルパイン / カルパスタチン / カルシウム / プロテアーゼ |
Research Abstract |
カルパインの構造と機能について詳細な解析を引続き行ない、以下の結果を得た。 1)カルパインの解離会合系の開発 変性剤で解離させたサブユニットをそのまま、又はゲルロ過で大小サブユニットに分離した後、ポリエチレングリコールと食塩の存在下に透析で変性剤を除いて再生させる系を確立した。この系ではカルパインが100%の活性を回復するだけでなく、80Kサブユニットだけでも100%の活性が得られるた。これまでカルパインの活性には大小両サブユニットの存在が必須と考えられてきたが、30Kサブユニットは活性発現には必要がないことが判明した。30Kし80Kが変性から回復する速度を著しく促進した。同様な作用はシャペロニン蛋白質、GroEでも認められたが、GroEの効果はATPの存在下でしか見られず、基質を含む他の蛋白質は効果がなかった。以上の事から、30Kはシャペロニン様蛋白として機能し、80Kの構造の安定化等で重要な作用を果たすと結論した。 2)カルパインは80Kモノマーとして機能する 80Kが100%の活性をもつので、カルパインは生体内で80Kモノマーとして作用するのではないかと考え、生体内でカルパインを解離させる因子を検索した。その結果、活性発現に必須なカルシウム濃度でカルパインは大小サブユニットに解離することが証明された。この解離は可逆的で、カルシウムを除くと瞬間的にカルパイン(ダイマー)が再生した。 3)カルパインと相互作用をする因子の検索 酵母のtwo-hybrid系を用いて組織特異的なカルパインと相互作用をする蛋白質を検索した。その結果nCL-1とnCL-2は共に30Kとは結合しないこと、nCL-1のN末端とコネクチンのC末端領域とが特異的に結合することが示唆され、その生理的な意義等を引続き検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Sorimachi: "New era of calpain research" FEBS Lett.343. 1-5 (1994)
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[Publications] K.Suzuki: "Stimulation of protein tyrosine phosphorylation in gerbil hippocampus after global forebrain ischemia" Neurosci.Lett.168. 69-72 (1994)
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[Publications] T.C.Saido: "Distinct kinetics of subunit autolysis in mammalian m-calpain activation" FEBS Lett.346. 263-267 (1994)
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[Publications] S.Nagao: "Calpain-calpastatin interactions in epidermoid carcinoma KB cells" J.Biochem.115. 1178-1184 (1994)
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[Publications] T.C.Saido: "New perspectives in molecular diversity and physiological-pathological involvement" FASEB.J.8. 814-822 (1994)
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[Publications] K.Sakamoto: "Quantification of calpain-related molecules by specific PCR amplification and its application to human muscular dystrophy" Biomedi.Res.15. 337-346 (1994)