1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404082
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
赤坂 一之 神戸大学, 理学部, 教授 (50025368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 秀樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (70126118)
今野 卓 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (50225637)
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Keywords | タンパク質の構造 / タンパク質の変性 / 低温変性 / S-S結合 / 円二色性 / ミオグロビン / SSI / X線小角散乱 |
Research Abstract |
1。Streptomyces subtilisin inhibitor(SSI)の低温変性状態での構造(赤坂、今野) (1)低温変性状態でのSSI高分子鎖の全体的な形状に対する知見を得るために、小角x線散乱法を適用した(大阪大学理学部片岡助教授の協力を得た)。クラッツキープロットによれば、熱変性状態では分子はガウス鎖的な伸びた構造をとっているが、低温変性状態では期待通り部分的に球状性を示した。 (2)SSIの人工変異体(P37G)を遺伝子工学と放線菌の培養により調整した(学習院大学三浦研究室の協力を得た)。これを用いる研究は次年度に行う。 2。アポミオグロビンの低温変性状態での構造(赤坂、今野) 二量体タンパク質であるSSIで得られた結果の一般性を検討するため、単一鎖ポリペプチドよりなり且つS-S結合をもたないよりウマアポミオグロビンを対象に、その変性構造について研究した。 購入した円二色性(CD)分散計を用いて、pH4-4.5で無塩の水溶液中で温度を変数としてCDスペクトルを克明に測定した結果、天然構造-熱変性構造間の転移に対して等CD点は205.1±0.2nm、天然構造-冷変性構造間の転移に対して等CD点は203.4±0.2nmであり、両者は明らかに異なることが判明した。これは高温変性状態と低温変性状態とで二次構造が異なることを意味する。今後NMRを含む詳しい測定を行って、(1)どの程度構造が異なるのか?(2)低温変性と高温変性は熱力学的にも異なる相なのか?などについて明らかにする予定である。 3。S-S結合を欠損したリゾチームの熱力学的安定性(橘) 円二色分散計を用いて温度に対してS-S結合欠損したリゾチーム(Cys-Ala変異体)のCDスペクトルを測定し、各変異体での転移点を求めた。その結果はS-S結合欠損によるエントロピー変化を予測した計算とは合わないことが判明した。
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[Publications] Akasaka,K.: "NMR Approaches to the Heat- and Cold-Induced Unfolding of Proteins" International Biological NMR Symposium(Stanford). (1994)
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[Publications] Akasaka,K.: "Non-native Structures of Proteins" The Third Harima International Conference“Frontiers in Structural Biology"Abstracts. 11 (1994)
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[Publications] Hasumi,H.: "Folding of Cold-Denatured Streptomyces Subtilisin Inhibitor.A Study by CD Stopped-Flow Method." 5th International Conference on Circular Dichroism,Abstracts. 199 (1993)
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[Publications] Masuda-Momma,K.: "Interaction of Subtilisin BPN′ and Recombinant Streptomyces Subtilisin Inhibitors with Substituted P1 Site Residues" J.Biochem.114. 553-559 (1993)