1993 Fiscal Year Annual Research Report
衣服圧に関する研究-特に衣服圧に影響を与える諸因子について-
Project/Area Number |
05405007
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
上田 一夫 共立女子大学, 家政学部, 教授 (60011441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三野 たまき 共立女子大学, 家政学部, 助手 (00192360)
間壁 治子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20086739)
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Keywords | 衣服圧 / 皮下脂肪組織 / 超音波診断画像 / 体表の粘弾性 / 応力 / ひずみ |
Research Abstract |
1.人体の内部組織構造と衣服圧:ウエストベルト下の内部組織構造を超音波診断装置を用いて調べた。ベルト着用によって大きく変化したのは皮下脂肪組織の厚み(以下皮脂厚と略す)であった。皮脂厚はベルト未着用時においても部位によって異なり、左右差も認められた。皮脂厚は吸息相よりも呼息相で厚く、かつ、自然呼吸よりも腹式呼吸でその変化の割合は大きかった。測定部位と同側へ屈曲すれば皮脂厚は厚くなり、対側に屈曲すれば薄くなった。静立位であってもベルトを着用すると、ベルト下の皮脂がその上下に逃れるように移動することがわかった。また、ベルトの拘束量を増すと、皮脂厚は脊柱付近と体側線を除いて減少することがわかった。このように皮脂厚は呼吸・動作・体位・拘束量(締め率)によって変化することがわかった。自然呼吸時の吸息相における立位と椅座位、静止時と屈曲(左右側屈と前屈)時、ベルトの拘束量(3種)の組合せの条件下で、ベルト圧とベルト下の皮脂厚との間の相関係数を求めたところ、全ての組み合わせの約3割の件数で高い正または負の相関が認められた。 2.衣服圧と体表の粘弾性:体表の粘弾性測定装置を製作し、押し棒の断面を体表面に対し垂直に保ちつつ、一定速度(押し棒の断面積1cm^2、進入速度4mm/sが適切である)で変位させた際の応力・ひずみ波形を求めることができた。ウエストラインより、6cm上〜9cm下までの領域を3cm間隔で縦横に線引きし、その交点の応力・ひずみ波形を求めた。その結果、皮下組織構造に起因すると思われる17部位(右半身のみ測定)から得られる波形のタイプに分類できた。 3.衣服圧測定と官能評価から、着心地の良いブラウスの作製には肩形状、ブラジヤ ーではカップにおけるダーツ配分が重要な因子であることがわかった。
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[Publications] 百田裕子: "紳士用靴下の衣服圧について" 繊維製品消費科学. 34. 175-186 (1993)
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[Publications] 百田裕子: "成人女子用ハイソックスの衣服圧について" 繊維製品消費科学. 34. 603-614 (1993)
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[Publications] 間壁治子: "衣服圧に及ぼすウエスト部被覆の影響" 繊維学会誌. 49. 513-521 (1993)
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[Publications] 三野たまき: "衣服の快適性を衣服圧でとらえれば" 人間工学会誌. 29(特別号). 50-53 (1993)
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[Publications] 三野たまき: "被服圧の測定" 日本家政学会誌. 45. 179-188 (1994)