1994 Fiscal Year Annual Research Report
衣服圧に関する研究-特に衣服圧に影響を与える諸因子について-
Project/Area Number |
05405007
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
上田 一夫 共立女子大学, 家政学部, 教授 (60011441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三野 たまき 共立女子大学, 家政学部, 助手 (00192360)
河村 まち子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70086734)
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Keywords | 浴衣 / 和服圧 / 液圧平衡方式 / 呼吸運動 / 着心地 / 体型 |
Research Abstract |
1.衣服圧と体表の粘弾性:平成6年度申請した機械刺激装置(変位量:10mm、耐圧:3Kg…特注)を自作の体表の粘弾性測定装置に取り付け、クリープ波形を求めている。現在、この値から体表の粘弾性を算出し、これが衣服圧とどのような関係にあるか検討している。 2.体表面のレリーフの変化と衣服圧:非接触で瞬時に体表面のレリーフが得られるような3次元人体形状計測装置を自作している。装置が2×2×2mと大型でありかつ高精度のものを目指しているので、その組立に時間を費やしている。 3.浴衣圧と呼吸運動・体型・着崩れ量・官能評価との関係:最もシンプルな和服である浴衣を作製し、体型の異なった被験者5人(少なくとも1回に1時間以上20回、計90時間以上浴衣を着用した経験者)を用いて浴衣圧を測定した。浴衣圧は呼吸運動の位相に同期して変動し、更に、体位・動作に伴って変化することがわかった静立位における浴衣圧は、主に腹部に発生し、その中でも最も圧の高い部位は(2重の帯が巻かれている下の)腰紐と浴衣の間(腰紐面)であった。なお、腰紐面上のどの測定部位であっても、15mmHg以下(きつめを好み、かつ、右脇線が最も崩れた被験者1名を除く)であった。静立位における浴衣圧と着崩れ量、体型、官能評価との関係をSPEARMANの順位相関係数を用いて検討したところ、腰紐面における圧が重要であることがわかった。この圧値が高い被験者程、右脇線を除く部位の着崩れ量が減少し、かつ、きつく着ていると評価した。右脇線のずれ量は腰紐面の圧が高い被験者程多かった。つまり、腰紐をきつく締めすぎる(例えば一部位で20mmHg以上)は着崩れを防せぐ有効な手段ではなく、むしろ、着崩れを増す原因となることがわかった。着崩れ感は、胸元のずれ量の多さに反映し、トップバストとアンダーバストの周径の差の大きい被験者程、着崩れが増すことがわかった。 4.動作に伴う浴衣圧の変化・浴衣圧に及ぼす着慣れの影響等解析中である。
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