1994 Fiscal Year Annual Research Report
各種記憶障害事例における病巣と障害像との関係に関する実験心理学的研究
Project/Area Number |
05451016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河内 十郎 東京大学, 教養学部, 教授 (30083710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 満 昭和大学, 医学部, 助教授 (20161375)
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Keywords | 前脳基底部損傷 / 前頭葉機能障害 / 作話 / 地誌的記憶障害 / 相貌失認 |
Research Abstract |
前脳基底部損傷例は、Damasioの有名な症例Boswellとは異なって、病巣が海馬に及んでおらず、むしろ前頭葉の内側面を含み、逆行性健忘を主とする臨床像を呈していたが、前頭葉機能障害も顕著であった。 前脳基底部損傷例で、記憶障害を呈する症例と呈さない症例とで、作話の内容の違いを検討したが、明確な差異を確認するまでには至らなかった。 膨大後部皮質損傷では、右損症例が地誌的記憶の特異的な障害を示すのに対して、左損症例は言語性を主とした一般的な記憶障害を示すことが、平成5年度までに明らかにされたが、この点がさらに新しい症例によって確認された。 視覚記憶に障害を持つ連合型相貌失認患者に,既知顔貌と未知顔貌とを刺激対として,「どちらか好きな方」を選ぶ課題と「既知感を感じる方」を選ぶ課題とを課したところ、既知顔貌を選ぶ確率が前者ではチャンスレベルより有意に高いのに対して、後者ではチャンスレベルにとどまっていることが明かとなり、嗜好判断に限って潜在的認知が見られることが示された。また顔と名前の対連合学習では、正しい対の方が誤った対より正答率た有意に高く、ここでも潜在的認知が示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 河内十郎: "記憶と記憶障害" 神経心理学. 9. 87-89 (1993)
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[Publications] 河内十郎: "脳損傷による意識" 科学. 64. 255-263 (1994)
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[Publications] 河内十郎: "脳損傷事例における感性と知性の解離" 東京大学教養学部人文科学科紀要. 100. 55-77 (1994)
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[Publications] 河内十郎: "脳損傷によるコミュニケーション障害" 電子情報通信学会科学技術報告. HC94-80. 33-40 (1995)
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[Publications] 河村 満: "脳ろ病変による純科前向性健忘" 臨床神経学. 31. 1031-1035 (1994)
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[Publications] 河村 満: "視覚性知覚転位" 神経内科. 42(印刷中). (1995)
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[Publications] 河村 満: "MRI脳部位診断" 医学書院, 339 (1993)