1993 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方における高度先端技術産業の展開と労働力需給構造に関する実証研究
Project/Area Number |
05451031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
不破 和彦 東北大学, 教育学部, 教授 (60004115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 治美 東北大学, 教育学部, 助手 (40187026)
高橋 満 東北大学, 教育学部, 助教授 (70171527)
萩原 敏朗 東北大学, 教育学部, 教授 (70004124)
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Keywords | 高度先端技術産業 / 労働力需給構造 / 地元就業志向 / 若年労働力 / 女子労働力 / 高学歴女子労働力 / 労働力の三層構造 / 地域社会 |
Research Abstract |
本研究は平成5年度と6年度の継続である。初年度の研究内容の概要は以下の通りである。本研究の課題は、東北地方の産業構造の変動と若年を中心とした労働力構成の動態を実証的に把握することである。昭和60年以降の技術先端型業種関連企業の東北地方への進出が東北の産業構造に大きな変動を引き起こしてきていることから、その代表地域である秋田県仁賀保町、福島県会津若松市それに白河市を対象として、事例研究を進めた。 地域への進出企業の業種別構成とそれに伴う労働力の需給構造の変動を主に統計資料に基づき概略的に明らかにすると共に、対象地域の住民へのインタビューを行いながら就業状況の把握に努めた。現地での事例調査にあたっては研究室大学院学生の参加協力を得ることができた。全体として、技術先端型企業の中心がソフト関連業種であることから、企業が求める労働力は若年女性に集中する傾向が非常に顕著に表れている。したがって、男性への労働力需要はそれほど強いものではなく、また女性に関しても高校卒業者が主体であり、年齢では30代以上の中年層また学歴では大学、短大卒業者の地元での就業機会は従来と同じく今日でも制約されている。 ここ最近、東北地方においても若年者の地元就業志向が強まり、実際に地元就業者が増加する傾向にあるが、それは高校卒業の女性があくまでも中心であって、若年男性ならびに大学卒業の高学歴女性の多くは東京ならびにその周辺地域での就業そして中年女性の地元下請け企業などでの就業といった傾向が明確に形成されてきている。こうした性別、世代別、学歴別の就業動向は対象三地域においてほぼ類似の状況にあり、また地域社会での生活をはじめとする諸活動のありかたにも大きな変化を作りつつあると言える。次年度はこの点についての現状の把握に取り組んでいくことが課題である。
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