1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05451039
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
菊池 美代志 帝京大学, 文学部, 教授 (90086843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江上 渉 駒沢大学, 文学部, 講師 (50213533)
池 周一郎 帝京大学, 文学部, 講師 (20246060)
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Keywords | コミュニティ / 近隣住区 / 地域組織化事業 / 町内会 / 地域行政 |
Research Abstract |
本年度は、報告書の作成と、これに必要な追加集計の作業を行った。まず初めに、1993年度に行った全国293コミュニティ集団のデータと、1994年度大垣市で行った294コミュニティ集団のデータを、因子分析、クラスター分析、相関係数などにより解析し「グッド・コミュニティ」の輪郭を記述した。次には、これらのデータを重回帰方程式により計算し、コミュニティ活動を活性化させた変数の組合せをある程度明らかにすることが出来た。 1.集団の活動について因子分析を行ったところ3種類の主なコミュニティ機能が検出できた。第1因子は、問題対処機能(防災、防犯、交通安全、資源等)で、農村と都市の集団のように地域が異なると異なる問題内容の機能が見られた。第二因子は、親睦機能で、これはどの集団にも比較的普遍的に見られた。第三因子は、施設維持機能で、この機能は集団パワーの強さと関連が見られた。 2.何種類もの活動をしている「機能の活性化」した集団の構造的特性を知るため、33の構造変数を用いて重回帰方程式による計算を行った結果13の変数が残った。それらを要約すると、集団の組織に関する変数(財政、連帯性、計画性)、対外関係に関する変数(他の地域集団や行政とのパイプ)、住民に関する変数(年齢構成、富裕度など)、地域環境に関する変数(快適性など)の四つの変数が良いコミュニティの構成要因と分った。 3.このような全国調査の結果を、大垣市の町内会調査のデータと比較しながら検討したところ、いくつかの相違とならんで、共通の結果が多く見られた。そして、これらの知見を従来のコミュニティ研究の成果と比較することにより、その妥当性と信頼性を検証中である。
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