1994 Fiscal Year Annual Research Report
義務教育諸学校、児童福祉施設における教育評価の現状と「通知表」試案の作成
Project/Area Number |
05451048
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
稲葉 宏雄 京都大学, 教育学部, 教授 (10025108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 雄介 京都大学, 教育学部, 助手 (00252411)
天野 正輝 京都大学, 教育学部, 教授 (90024992)
田中 昌人 京都大学, 教育学部, 教授 (90025106)
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Keywords | 教育評価 / 通知表 / 病弱児教育 / 学習指導要録 |
Research Abstract |
本年度は、年度当初に立案していた1.義務教育諸学校の「通知表」の分析、2.病弱児等教育機関(児童福祉施設、院内学級等)における「教育評価」の実態の分析、の2つの研究課題に沿って作業を進めた。 1.(1)「学校ごと、地域ごとの相違(の有無)」は、入手した通知表が、各地域・学校で新指導要録に対応した改訂が一定進んだ平成5年度のものだったこともあり、京都市内と府下とで若干の地域差がみられた程度であった。(2)「評定数値」は、今回の指導要録で中・高学年について記載することになったのを受けて各校で設定されているが、特に高学年での段階区分(3段階か5段階)にバリエーションがみられた。(3)「観点別評価の位置付け」については、通年同一項目にする場合と、学期ごとに変える場合とに大きく分かれた。当然後者の方が、学習内容(達成目標)がより具体的になる傾向がある。(4)「よりきめ細やかな評価を本人・保護者に伝える工夫」については、「副表」によって行っている学校が多いとの情報(本研究との関連で研究分担者が出席した研究会での)もあり、「通知表」のみの分析によっては全貌が明らかにならないと思われる。 2.全国規模で調査を行ったため、(1)「通知表」についてはより地域差、学校差が明瞭に出た。全体としては新指導要録に対応した形態になりながらも、教育対象の個人差の大きさを反映して、観点別評価項目がよりきめ細かく設定されているのが全体の傾向である。また、生活記録等、保護者との連絡を密にする工夫も多く教育機関・施設でみられる。 (2)別途行ったアンケートについては、全体の傾向と特徴的な事例についてそれぞれ量的・質的分析を行った。
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