1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05451053
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐藤 秀夫 日本大学, 文理学部, 教授 (20000060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 雅章 日本大学, 文理学部, 助手 (70224277)
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Keywords | 学童疎開 / 第二次世界大戦 / 教育史 / 子ども史 |
Research Abstract |
第2次世界大戦期の日・英・独等における学童疎開(evacuation fo school children,Kinder-land-vershickung)の政策意図と実施状況とを比較検討し、その教育史・子ども史上における意味を考察することをめざして、本年度は、上記三国の学童疎開政策構想に関する史料の調査収集とその内容分析とに重点をおいた。 1.日本学童疎開について (1)中央史料調査:内閣、陸軍、海軍、文部省、内務省、厚生省、東京都などの学童疎開施策に関する史料につき、国立公文書館、防衛図書館、国立国会図書館、文部省官房総務課、国立教育研究所、東京都公文書館等の所蔵文書を調査し、多くの文書史料を複写収集した。 (2)地方史料調査:疎開学童を受け入れることになった府県当局の施策を明らかにするため、長野県、山形県、宮崎県、京都府等の公文書史料を調査収集した。あわせて、学童を送りだした学校関係者の施策を検討するため、東京都杉並区の諸国民学校疎開関係文書史料の収集にもあたった。 2.外国学童疎開について 英国及びドイツの事例について、日本国内で研究・調査文献資料の調査収集に努めた。また、研究代表者は学会参加のため北欧に旅行した際、デンマーク、ノルウェーにおいて関係文献の収集を努力した。 3.本年度の研究による知見 上記国内・国外において調査収集した史料類の検討を進めた結果、学童疎開を第二次大戦の戦争政策と一体の関係において捉える必要、単なる児童福祉・保護政策と見るできではないことがより一層明確になった。
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