1994 Fiscal Year Annual Research Report
大学の教育自己評価と教授能力開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05451054
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Research Institution | RITSUMEIKAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古寺 雅男 立命館大学, 文学部, 教授 (30066592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 善治 立命館大学, 文学部, 教授 (70102762)
藤岡 惇 立命館大学, 経済学部, 教授 (80104868)
高木 彰 立命館大学, 経済学部, 教授 (40032700)
鈴木 登 立命館大学, 経済学部, 教授 (20140121)
向井 俊彦 立命館大学, 理工学部, 教授 (40102165)
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Keywords | 大学教育 / 教育自己評価 / 教授能力開発 / 経済学教育 |
Research Abstract |
1.米国の経済学教育テキストにかんする研究では、すでに収集済みの概論・入門テキスト約90冊から作成したデータベースについて、ページ数、図表数、章末トピックス、要約数及び重要語一覧などの定性的・定量的な分析を行った。その結果、(1)現実の経済学問題が非常に多く盛り込まれている、(2)最新の研究成果も紹介されている、(3)さまざまな学派の主張がすべて平等に扱われ、学生にその評価にかかわる思考をさせるようになっている、(4)その問題について自分自身の考えをもって議論できるようになっている、(5)さらに図表の多さ、章末付録、副教材の存在など、機能的なテキストづくりがなされている、(6)講義の長さや水準の違いに対して弾力的に対応できるようになっている、等々のことがらが明らかとなった。 2.米国経済学会の学会年次報告書に掲載された、経済学教育にかんしての1960年以降の諸論文について、その歴史的な討論経過を概観した。ここからわかることは、その学会での取り組みのあり方、各教員の取り組む熱意、専門家からみた科学研究の先駆的な手法を教育にいかに適用するか等々、にかんすることである。とりわけ学生実態に対して多様な関心を寄せ、学生のもつ属性(関心・学力・認識方法など)に即した教育の内容・方法にかんする議論を経済学の専門家集団が行っている、というのが大きな特徴である。 3.「Iフェース項目群、II授業運営(準備過程)にかんする項目群、IIIテキスト使用にかんする項目群、IV授業運営方法にかんする項目群、V自己評価活動への見方・考え方にかんする項目群」を含み込んだ39項目から成り立つ、「経済・経営学教育関係の授業開発にかんする教員アンケート調査」を行った。対象は、20大学(私立16、国公立6校)の35学部であり、配布数は経済学部622、商学関連259、および経営学関連259であった。回収率は、私立:38.6%、国公立:35.4%、総計で37.7%であった。その結果では、「自己評価活動への見方・考え方にかんする項目群」で国公立に比して私立大の方が相対的に積極的、テキスト及び授業運営にかんする項目群では国公対私立よりも対象教員が回答時に念頭におく科目や授業規模の方に相対的に影響を受けるという特徴があられている。
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