1993 Fiscal Year Annual Research Report
手話の言語発達とその言語能力評価法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05451057
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
鷲尾 純一 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 研究室長 (80220854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
我妻 敏博 上越教育大学, 助教授 (00124206)
菅原 廣一 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 研究部長 (30000269)
小田 侯朗 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 主任研究官 (30158828)
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Keywords | 手話 / 言語発達 / 両親聴覚障害家庭 / 養育援助 / 聴覚障害児 |
Research Abstract |
1)手話語彙および構文能力の発達に関する資料の収集 両親聴覚障害家庭に協力を依頼し、母子および父子コミュニケーション場面を定期的にVTR収録した。手話語彙の発達的特徴、手話表現の発達について検討を行った。また、学校教育の場で利用されているキュードスピーチおよび音声言語との関連についても検討を行った。 ・目の表情を利用したコミュニケーションの発達が見られた。 ・手、指の動きが細かくなり、早くなって、手話による意味の細分化を可能にする語彙発達が観察された。 ・手話による表現は加齢とともに多語文的となり、ひとつの事柄を表現するのにいくつかの手話を重ね合わせた手話独特と思われるものも確認された。 母親は手話と平行してキュードスピーチも適宜とりいれた話しかけを行い、それにより早期(1歳半すぎ)に手話の表出に混じって、キューサインの模倣、キューを利用した自発表出が確認された。また、手話とキューの混合的使用が多くみられている。 補聴器を装用して聴覚活用も図っているが、手話に声が伴うことが多く観察されている。 2)聴覚障害児をもつ聴覚障害両親に対する養育援助のあり方を検討した。 ・聴覚障害両親に対して子育てアンケートを行い、子育てをめぐる状況と両親援助の課題を明らかにした。 ・養育援助プログラムを作成する際の基本的な考え方を提案した。 ・いくつかの聾学校に研究協力を依頼し、学校で行っている養育援助の実際を事例集としてまとめ、報告書を作成した。
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