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1994 Fiscal Year Annual Research Report

被差別部落の民俗学的総合調査研究

Research Project

Project/Area Number 05451060
Research InstitutionMusashi University

Principal Investigator

宮本 袈裟雄  武蔵大学, 人文学部, 教授 (40015889)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 谷口 貢  二松学舎大学, 文学部, 専任講師 (90227223)
Keywords被差別部落 / 部落解放同盟 / 民俗誌 / 日雇い / 儀礼
Research Abstract

本研究は、被差別部落の民俗誌作成を主要な目的とし、東日本では栃木県大平町榎本、西日本では大阪府寝屋川市駒池の両地区をそれぞれ調査地として、地元解放同盟の協力を得て調査研究をすすめてきた。しかし寝屋川市駒池の被差別部落は規模が大きく、且つ都市化が著しいため、当初予定した以上に時間がかかり、民俗誌作成までに至らず、本研究終了後も調査研究を継続することにしているが、大平町榎本の民俗誌を完成することができた。被差別部落榎本の民俗誌は、民俗学研究からの初めてのものであり、今後の被差別部落の民俗研究にとって欠くことのできない文献となるであろう。
被差別部落榎本の民俗誌作成によって、次のような諸点が明らかになった。つまり(1)被差別部落の民俗全てが一般の民俗と異なるのではなく、その一部であるが、習俗のなかに一般からの差別が認められるものがある。(2)榎本は農村であるが、農家・非農家とが混在し、日雇いが大きな比重を占めていることを背景として都市型の民俗を示している。(3)経済力の低さと関連して、タテマエよりもホンネの生活が優先しており、そのことは儀礼習俗にはっきりと現われている。(4)被差別部落内が、かつての支配層小頭層と他の家々、耕作面積の大きな農家と耕作面積の少ない家、農家と非農家というように幾つかの階層が認められる。
以上が本研究を通して明らかになった主要な点であるが、これまで被差別部落の特色ある習俗とみられていた事象が、習俗全体と関連付けて捉えることができるようになった意義は大きい。

URL: 

Published: 1996-04-07   Modified: 2016-04-21  

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