1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05451083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩川 徹也 東京大学, 文学部, 教授 (00109050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 美知子 東京大学, 文学部, 助手 (30251383)
塚本 昌則 東京大学, 文学部, 助手 (90242081)
中地 義和 東京大学, 文学部, 助教授 (50188942)
月村 辰雄 東京大学, 文学部, 助教授 (50143342)
田村 毅 東京大学, 文学部, 教授 (90011379)
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Keywords | フランス文学 / レトリック(修辞学) / 修辞学教科書 / レトリック教育 / 文学史 / 文学批評 / 古典古代 / ユマニスト |
Research Abstract |
単年度の科学研究費補助金による研究として,時間的な制約から,特に,イデオロギーと近接する広い意味においてとらえられたレトリックが,各時代のフランス文学の実践的な活動にいかなる役割を占め,いかなる影響をおよぼしたのか,という点に焦点をあてて研究が進められた。その結果,各研究分担者がそれぞれ専門とする領域の範囲の中で基礎的な調査をおこない,いくつかの見るべき成果を収めた。たとえば14世紀後半,ごく初期のユマニスム・レトリック教育を受けた世俗ユマニストが教会聖職者との文学論争に臨み,引用文の取り扱いをめぐってテクスト尊重の方向性を打ち出している事実の指摘などは,その好例である。つまり,この指摘によって,古典修辞学教育の成果が単に文章表現のレベルにとどまらず,それを越えたテクスト自体の取り扱いという,文学の実践にとっての基盤となるレベルにも及ぼされていることが確められるからである。 また,16世紀から19世紀にいたる古典修辞学教科書の文献調査と資料蒐集が,研究分担者間の緊密な連絡のもとに組織的に進められた。さらに,特に,18,19世紀の修辞学教科書の内容の比較研究が進められ,その成果は研究成果報告書にまとめられているが,あらためて同時代のフランス文学作品とのつながりの深さが認められた。なお,この報告書には,19世紀中葉の修辞学教科書のきわめて詳細な書誌が付されている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] NAKAJI Yoshikazu: "Ambivalence et rapidite dans l'ecriture d'Vne saison en enfer:des brouillons au texte imprime" SVD. 49-61 (1994)
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[Publications] 月村 辰雄: "「『トリスタン物語』とフランス中世文学」「『ガルガンチュワ物語』とユマニスムの教育」" 塩川徹也編『フランス文学』(放送大学教育振興会). 13-36 (1994)
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[Publications] 塩川 徹也: "「知識と判断力-ユマニスムの成熟と変貌」「高める愛と滅ぼす愛-古典悲劇における情念の表現」" 塩川徹也編『フランス文学』(放送大学教育振興会). 37-59 (1994)
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[Publications] 田村 毅: "「夢・幻想・狂気-ロマン主義とその周辺」「近代社会の叙事詩-19世紀の小説」" 塩川徹也編『フランス文学』(放送大学教育振興会). 88-108 (1994)
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[Publications] 中地義和: "「〈現代性〉と神話-現代詩の成立」「反逆と道化-散文詩の系譜」" 塩川徹也編『フランス文学』(放送大学教育振興会). 109-125 (1994)
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[Publications] 塚本昌則: "「眠りの構築」" 『アガートー訳・注解・資料』(筑摩書房). (校正中). (1994)
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[Publications] 塩川 徹也: "『虹と秘蹟-パスカル〈見えないもの〉の認識』" 岩波書店, 260 (1993)