1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05451097
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
青山 善充 東京大学, 法学部, 教授 (70009801)
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Keywords | カード破産 / 免責 / 一部免責 / 免責前の一部弁済 / 消費者破産 / ドイツ倒産法 |
Research Abstract |
研究の最終年度である本年も、実態調査と比較法的研究を2本の柱として次のように研究を行った。 (1)カード破産と免責実務の実態調査 第2年度に引続き、カード破産の実態の把握に努めるとともに、裁判所の実務における免責許否の動向についても調査した。その結果、個人消費者カード破産の顕在化は一時より鈍っているものの、カードの発行枚数の増加はとどまるところなく、潜在的カード破産予備室は着実に増加し続けていること、しかし各地の裁判所の免責実務は「少年事件」的な扱いが一般化し、免責前の一部弁済や一部免責許可が今や定着していることが判明した。 この免責制度導入は昭和27年の会社更生法の制定と同時に行われたものであるので、本年の研究ではその立法過程を冊念に調査した。この成果は、近く、信山社から日本立法過程資料シリーズの一部として公刊の予定である。 (2)比較法的研究 本年は、1994年10月に成立したドイツ新倒産法(Insolvenzordnung)の第8編免責(Rechtschuldbefreiung)を中心として研究した。ドイツの免責制度はアメリカ型の全額免責主材ではなく、一部は必ず弁済すべきことを定めている点で、日本の実務との共通点が見出せるように思う。いずれにしても、日本の来るべき倒産法の改正に大きな示唆を与えるものであることがわかった。
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Research Products
(1 results)