1993 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業における開発戦略と企業内外のシステム的統合化に関する研究
Project/Area Number |
05451109
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中野 安 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (30047120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 望 大阪市立大学, 経済研究所, 講師 (20244650)
植田 浩史 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (10213357)
榎本 里司 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (80221117)
明石 芳彦 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (00150970)
福田 義孝 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (30047261)
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Keywords | 研究開発 / イノベーション / 競争戦略 / 技術開発 / 製品開発 / 開発戦略 / 開発体制 / システム統合 |
Research Abstract |
【.encircled1.】1.日本企業における研究開発・新製品開発の位置づけは、開発の目的、形態、時期によりさまざまであろう。例えば、中央研究所の設置やプロジェクト方式の重視などがあり、それらを契機とした組織改変があった。2.日本製品の国際競争力の原因を分析する研究が無数に提出されている。例えば、製品作りにおける生産工程間の緊密な情報のやり取りや柔軟な生産方式を指摘するものが多い。それらはコストや品質の面での日本製品の優位に着目しているが、そうした優位が生産技術、もしくは組織連関や意思決定など情報処理機構に関わる企業内外のシステムの統合のいずれに裏付けられているかなどは統一的見解がない。【.encircled2.】設計・企画の段階から販売価格を想定した製品づくり、すなわち「原価企画」を遂行するためには、企業内部の製造・購買・財務等の各部門の意見を早期から調整し統合するシステムを構築しなければならない。それは日常的生産活動、または持続的原価低減運動のうえに、数年に1度の新製品開発サイクルを重合させることを意味する。この点で、早期開発体制の構築を、企業内部ではどのような権限を持って進めているかを分析する必要がある。【.encircled3.】新製品開発に当たり、部品や原材料のサプライヤー企業にはいつの段階から、またどの程度の関与を求めているか。これらは現在、ヒアリング記録や収集した資料をもとに分析中である。【.encircled4.】1980年代、アメリカ企業は企業組織の大幅な改変(リストラ)を断行した。当時の日本企業は、ME化など情報関連技術へ投資してきた。当初、日本の投資は多品種少量生産に強みを発揮したといわれた。だが、投資規模の拡大が固定費を大きく引き上げ損益分岐点を高めており、自ら設備投資を行い利用効率を高めるなど漸進的改良型生産体制では、激変著しい情報化技術等への対応が遅れがちになる。生産システムや企業間関係等の新たなシステム統廃合が求められている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 福田 義孝: "日本における労働者意識の変化と就業行動への影響" 竹中恵美子編『グローバル時代の労働と生活』ミネルヴァ書房. 49-73 (1993)
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[Publications] 明石 芳彦: "郊外型紳士服専門店の流通革新と紳士服市場の産業組織" 公正取引委員会編『流通業の産業組織の変化の動向に関する調査研究』関西経済研究センター. 第3章. (1994)
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[Publications] 明石 芳彦: "研究開発とイノベーション" 新庄浩二編『産業組織論』有斐閣. 第11章. (1994)
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[Publications] 植田 浩史: "自動車産業と分業生産システム" 産業学会年報. 9号. (1994)
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[Publications] 榎本 里司: "巨大企業のグループ戦略" 現代企業研究会編『現代日本の企業間関係』中央経済社. 第6章. (1994)