1994 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの電磁気概念のFRAMEWORKとCONSTRUCTIONに関する研究
Project/Area Number |
05451138
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武村 重和 広島大学, 教育学部, 教授 (70112159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 康 広島大学, 教育学部, 助手 (50224192)
MANZANO VIRG 広島大学, 教育学部, 助教授 (80208719)
中山 迅 宮崎大学, 教育学部, 助教授 (90237470)
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Keywords | Concept Framework / Concept Construction / 電磁気概念 / メタファー / 論理的思考 / 素朴理論 / 視知覚 |
Research Abstract |
中学生を対象として、学習者のメタファー、論理的思考と素朴理論、視知覚の各側面に関して電磁気学習との関連を捉える調査問題を作成し、実態調査を実施した。その分析の結果、電磁気のConcept Constructionに影響する要因に関して以下のような知見が得られた。 まず、学習者はこれまでにも複数の研究者によって指摘されてきたように電流に関して多様なモデルを有していることが確認されたが電流の「発生モデル」という新たなモデルの存在が指摘された。また、彼らの電流モデルはその背景に実に多様なメタファーがあって、電流、電池、豆電球、電圧などの実体を身近な存在に関連づけて理解していた。例えば電流に関するメタファーは大きく「流体」「容器-中身」「消費」「水源」などの特徴をもっていたが、それらは実に多くの具体物と関連づけられていた。 次に、電気回路に関する推論場面における論理的思考と電流に関する学習者の素朴理論のはたらきを捉える調査問題では理論的思考力として「比例的推理」に着目した。専門家にとっては、いわゆるオームの法則に則った抽象化によって単純な比を用いて解答できる問題でも、学習者は電圧概念と電流概念とが未分化な素朴理論を有している場合が多く、それによって多くの誤った判断に陥ることが示された。 また、電気回路を回路として知覚する際の視覚的特徴の違いと学習者の認知の関連を捉える調査問題では回路認知に影響を及ぼしている視覚的特徴を抽出し、視覚的特徴からボトムアップに認知する際の論理的非一貫性や、トップダウン的に呼び出される既有スキーマの視覚的パターンとの関連などが明らかとなった。
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