1994 Fiscal Year Annual Research Report
入門情報教育がコンピュータに対する情意的反応と知識に及ぼす効果の分析
Project/Area Number |
05451142
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
今栄 国晴 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60023967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 康之 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (30202815)
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30109368)
清水 秀美 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (60025111)
北岡 武 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60024022)
平田 賢一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20024060)
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Keywords | コンピュータリテラシー / 情報処理教育 / コンピュータ態度 / コンピュータ不安 / コンピュータ教養 |
Research Abstract |
大学・短大等において、入門的な情報処理教育が実施されるようになって長い年月が過ぎている。この授業の直接の目的、あるいは習得させるべき知識や技能などの授業内容は、専門科目からの要請もあって、各大学、担当教員によって大きく異なっている。しかし、情報処理教育の一次的目的、たとえばプログラミングや応用ソフトを使用する能力は、しばしば急速に陳腐化して有用性を失う。したがって、授業履修後の学校、社会生活の中で、情報機器やコミュニケーション手段を主体的に、創造的に利用する基礎的能力や態度を形成し、コンピュータ不安を低減するという二次的、潜在的目的の方が重要かもしれない。 われわれは、既にこのような二次的目的の達成度を測定するコンピュータリテラシーテストを開発している。このテストは、コンピュータへの態度、コンピュータ不安、コンピュータに関する日常的教養的知識、及び技術的知識の4要因を測定する。本研究は、このテストを使用して、情報処理教育(半年)の授業の前後に学生の態度、不安、知識の変化を測定して、情報処理教育の間接的な効果を分析することを目的とした。 教育学部、経済学部、短大の1年生に繰り返し測定したところ、情報処理教育は、(1)コンピュータへの態度及びコンピュータ不安といった情意的特性には影響しない場合が多い。(2)教養的知識及び技術的知識という認知的特性は、授業後大きく伸びることが多いことを確認した。このような傾向は、情報処理教育をまったく受けない短大生の2年間の変化でも同様であって、認知的特性が自然増するのに対して、情意的な特性は入学時と変わらない。すなわち、いったん形成された情意的特性は、日常生活や教育によってもなかなか変化しないが、コンピュータに関する知識は潜在的に増加し、教育はそれを加速する役割を果たしていることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 今栄国晴: "学校内でコンピュータが必要な場面を創出する" CAI学会誌. 11. 181-182 (1995)
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[Publications] 今栄国晴: "情報機器の使用及び情報教育のあり方" 科学技術教育(日本学術会議科学教育検定研究会報告書). 34-37 (1995)
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[Publications] 今栄国晴: "教育メディアの有効性論争試論" 教育メディア研究(日本視聴覚・放送教育学会誌). 1. 38-43 (1995)