1993 Fiscal Year Annual Research Report
障害児の運動学的特性に基づく体育カリキュラムのモデル化
Project/Area Number |
05451154
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
山本 貞美 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (50158276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大友 智 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (90243740)
松井 敦典 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40190384)
綿引 勝美 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80144559)
乾 信之 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30144009)
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Keywords | 精神遅滞 / 自閉症 / ダウン症 / 系列動作 / 協調動作 |
Research Abstract |
養護学校高等部における精神遅滞,自閉症,およびダウン症の生徒の運動スキルと体力の現状を把握するために,まず最初の手続として,体育の授業を観察・調査した。 その結果,筋力・持久力などの体力はかなりあるが,個人内および個人間の系列動作や協調動作に困難さがつきまとうことがわかった。また,ゴムを連続的に跳び越すリズム運動では,次の跳躍を予測して着地する者から,着地してから次の跳躍の体勢をステップしながら準備する者など大きな個人差が見い出された。 次に,系列光刺激の追従課題を行い,精神遅滞,自閉症,およびダウン症の生徒における動作に伴う系列情報処理を検索した。その際,生徒は5個の光刺激が左側から右側へ順に点灯されること(20個の繰り返し)に対応して,生徒の手元の5個のタッチ・スイッチに反応することが課せられた。 その結果,対照群である健常な大学生は,平均反応時間が0msに収束し,光刺激の点灯と同時にタッチ・スイッチに予測して反応できるという従来の結果を確認した。 一方,自閉症の生徒は光刺激に追従して反応する刺激始動性運動が困難であり,自己ペースで運動を遂行し,著しい見越反応を呈した。しかし,ダウン症の生徒は光刺激に比較的正確に追従することができ,刺激始動性運動が可能である。また,精神遅滞の生徒は初期光刺激に正確に追従していても,後半に系列動作のリズム制御が不正確になる結果を得た。 次年度以降は,上記の課題が学習によって改善されるかどうかを検討したい。
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