1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
儀我 美一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 徹 北海道大学, 大学院・研究科, 教授 (70204196)
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Keywords | 相境界の運動 / クリスタライン・エネルギー / 自己相似解 / 異方性 / 一意性 / 分散現象 / 非線形シュレディンガー方程式 / 漸近挙動 |
Research Abstract |
結晶成長時における結晶表面の運動は相境界(界面)の運動の典型的な例である。この現象は非平衡、非線形現象として学際的に注目されている。相境界の運動方程式の中で重要な族として界面支配モデルがある。これはバルクでの熱拡散・質量拡散が無視でき、界面の運動が、その幾何学的形状によってのみ決定される場合をいう。表面エネルギーがなめらかでなく、界面にファセットの現れる現象が例えば極低温ヘリウムの結晶成長に現れる。このような状況では、運動を支配する方程式が非局所項をもち記述しにくく従来は、界面の運動のクラスを限定することによって成長法則を記述していた。これに対して偏微分方程式と同じ立場で扱える定式化が研究代表者によってなされた。それは、非線形半群論を用いるもので今日FuKui-Gigaの定式化と呼ばれている。この定式化により、いわゆるクスタライン・エネルギーを表面エネルギーとする曲線の運動が滑らかな異方的エネルギーによる運動の極限として理解できることが示された。 異方性のある表面エネルギーによる運動については、自己相似的に縮む解が存在するかどうかが重要である。等方的表面エネルギーによる運動の場合、外場がなければ支配方程式は、有名な曲線短縮方程式になり自己相似解は円またそれに限ることが知られていた。しかし、その一意性の証明は初等的でないので研究代表者は初等的な証明を与えた。一方異方性のある表面エネルギーによる運動についても自己相似解の存在を初等的な方法で示した。ただ一意性については、成長法則が曲線の向きづけによらない場合のみしか示せなかった。 以上は、主に非線形放物型方程式の重要な例の研究である。研究分担者は、分散現象を記述する非線形シュレディンガー方程式の解の時間無限大についての漸近挙動の解析を行ない、線形現象としては扱えない非線形効果を発見した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Giga and S.Takahashi: "On giobal weak solutions of the nonstationary two phase Stokes flow" SIAM J.Math Anal.25. 876-893 (1994)
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[Publications] Y.Giga: "Motion of a graph by convexified energy" Hokkaido Math.J.23. 185-212 (1994)
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[Publications] Y.Giga and K.Yama-uchi: "On instability of evolving hypersurfaces" Diff Integral Egs. 7. 863-872 (1994)
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[Publications] Y.Giga: "Interior derivative blow-up for guasilinear parabolic eguations" Discrete and Continuous Dynamical Systems. 1. 449-461 (1995)
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[Publications] T.Ozawa: "On critical cases of Sobolev′s inegualities" J.Funct,Anal.127. 259-269 (1995)
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[Publications] T.Ozawa: "Remarks on guadratic nonlinear Schrodinger eguations" Funct.Ekvac. 38. 217-232 (1995)