1993 Fiscal Year Annual Research Report
TeV領域電子・陽電子衝突実験のための高分解能カロリメータの開発研究
Project/Area Number |
05452028
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
武田 廣 神戸大学, 理学部, 教授 (30126114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神前 純一 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (60169787)
樽磨 和幸 神戸大学, 総合情報処理センター, 助手 (80227298)
横山 千秋 神戸大学, 理学部, 助手 (30093537)
野崎 光昭 神戸大学, 理学部, 助教授 (10156193)
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Keywords | 電子・陽電子衝突 / カロリメータ / シンチレーション・ファイバー |
Research Abstract |
シンチレーション・ファイバーと鉛からなる電磁成分、ハドロン成分一体型のカロリメータを開発試作した。カロリメータ本体のサイズは20cm×20cm×130cmとし、TeV領域の電子・陽電子衝突反応で生成される粒子の電磁、ハドロン成分のエネルギーが入射方向では十分吸収されるようにした。シンチレーション・ファイバーは直径1mmのものを使用し、厚さ2mmの鉛板に彫られた溝にファイバーを埋め込んでいった。鉛には剛性を高めて取扱い易くするため約6%のアンチモンを添加した。ファイバーと鉛の容積比は約1:4とし、電子と荷電パイ中間子とがほぼ等しいカロリメータの出力を出すように調節した。シャワーの横方向の広がりを測定するために、約9000本のファイバーを16分割し、各々の束を光電子増倍管で覗く。 試作したカロリメータを、高エネルギー物理学研究所のプロトン・シンクロトロンからの2次ビーム(電子、パイ中間子)を用いて、基本的な性能評価のためのデータを収集した。ビーム・エネルギーは1GeVから4GeVである。電子ビーム、パイ・ビームそれぞれについて入射角度依存性、位置依存性、エネルギー分解能、位置分解能、プレシャワーの影響等についてデータを収集し、現在解析中である。 本計画のカロリメータのジオメトリを組み込んだモンテカルロ・シミュレーションをGEANTと呼ばれるプログラム・パッケージを基に作り上げ、ビーム・テスト結果と比較のためのシミュレーションも遂行中である。
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