1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 孝夫 九州大学, 理学部, 助教授 (90037200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 裕之 九州大学, 理学部, 助手 (70172434)
杉光 強 九州大学, 理学部, 助手 (70037216)
高岡 宣雄 九州大学, 理学部, 教授 (40028171)
森信 俊平 九州大学, 理学部, 教授 (50016078)
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Keywords | 加速器質量分析(AMS) / 南極〓石 / 年代測定 / タンデム型加速器 / 塩素36 / 長寿命放射性同位体 / ビームバンチング / 質量走査式AMS |
Research Abstract |
本研究は、九州大学理学部のタンデム型静電加速器及び付帯実験設備を利用して高い精度の加速器質量分析器を構築し、未だわが国では実現されていない塩素36の分析方法を確立することを第一段階とし、この技術を用いて南極〓石の年代測定を行なうことを第二段階の目的としている。 現在は実験方法の確立を目指しての開発研究を進めている段階にあり、計画当初に考案された方法の実現可能性の確認と具体的な装置の設計、製作が進められてきた。 1、加速器質量分析系の確立 1)セシウムスパッタリング負イオン源のビーム生成効率を高めるためのテスト実験が進められ、一定の成果を得た。 2)高速切替による、極微量元素(Cl36)と比較対象元素(Cl35またはCl37)イオンビームの同時加速の可能性についての基礎実験データが得られ、実現の見通しをたてることが出来た。現在までに、装置、制御回路の設計、制作が進められ、主要な部分は既に完成した。 3)バックグラウンドイオン除去の為のビームバンチング装置の設計が進み、真空槽、ビームバンチャー電極、高周波電源等の製作が行なわれた。 2、核電荷分離分解能の高い電離箱検出器の設計、制作が進められ、性能テストによって、極微量のCl36ビームの検出器として使用出来る見通しが得られた。 3、測定を妨害する同重体元素(S36)を資料中から除去する化学的手段の開発が進められた。 1)コンタミネーションフリーな状態で、〓石から鉄、ニッケル粒子を分離精製し化学処理するために実験室を整備し、磁気及び重液分離による微小粒子の分離の予備実験を行なった。また、化学処理法及び分析資料(AgCl)のイオン源への装着法について調査した。 4、負イオン源に装着する試料(AgCl)の生成法がほぼ確立したため、今年度内にはイオン源からのCl元素の負イオン引き出しテスト実験を実施し、次年度早々にはタンデム加速器にClイオンビームを入射しての予備実験に入る予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中島孝夫: "九大タンデム加速器の現状" 第6回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集. 18-22 (1993)
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[Publications] 杉光 強: "九大タンデム重イオン源の更新" 第6回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集. 19-41 (1993)
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[Publications] 森信俊平: "二次ビーム生成装置の開発" 第6回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集. 62-65 (1993)
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[Publications] 高岡宣雄: "Moble gases in the unique meteorite Yamato-74063" Proc.NIPR Symp.Antarct.Metheorites. 6. 120-134 (1993)