1993 Fiscal Year Annual Research Report
大運動量帯域エンゲ磁気分析器による^7Li直接クーロン分解反応の研究
Project/Area Number |
05452032
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
宇都宮 弘章 甲南大学, 理学部, 助教授 (00241167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 保夫 筑波大学, 物理学系, 助教授 (10110511)
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Keywords | 原子核物理学 / 天体核物理学 / クーロン分解反応 |
Research Abstract |
筑波大学加速器センターのエンゲ磁気分析器の焦点面で,^7Li入射核分解反応で生成される^4Heと^3Hの分解片を同時測定するための,焦点面位置検出器を2台製作した。これら位置検出器は,単抵抗芯線の比例計数管とバイクロン社製のプラスチックシンチレータBC400からなり,それぞれ,全長90cmと40cmである。また,低エネルギー^4He粒子の測定のため,低圧での比例計数管の作動を可能にするガスコントロールシステムを製作した。検出器をサポートする電源,前置増幅器,光電子増倍管等を購入した。 筑波大学加速器センターで予備実験を行った。2台の焦点面検出器をエンゲ磁気分析器の焦点面に据えAr(70%)+CH_4(30%)ガス400torr下で作動させた。40MeV-^7Liビームを用いて予備的なデータを収集した。パーソナルコンピュータを購入しデータ解析を行った。その結果,弾性散乱(^7Li)に対して約2mm(ビームの拡がり,標的厚,立体角による寄与を含む)の位置分解能を得た。この結果は,同種の検出器では典型的な位置分解能と考えられ,^7Liの直接分解反応の結果生じる^4Heと^3Hの相対エネルギーに対して,満足すべき(相対エネルギー500keVに対して約7keV)分解能を保証する。平成5年度で計画どうり検出器系の開発整備が終了した。 平成6年度では,筑波大学加速器センターで,^<197>Auを標的とする^7Li直接分解反応実験を行う。クーロン障壁以上と以下の入射エネルギーで,^7Li直接分解反応に対する核力とクーロン力の競合状態を研究し反応機構の解明をめざす。併せて,クーロン分解反応を優位に測定する条件を探る。
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