1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452045
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
鎌田 雅夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60112538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 繁男 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 非常勤講師
田中 慎一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00227141)
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Keywords | 光脱離 / 放射光 / パルス / 励起アルカリ / 動的過程 / イオン結晶 |
Research Abstract |
光脱離に関する研究は、それなりの歴史を有しており、近年の真空技術の発展によって益々盛んになってきた。しかし、従来の研究は主として、基底状態での脱離種やイオンの検出に終始しているものが多く、励起状態の脱離種の研究はほとんどない。そこで、本研究では、交付申請書に従って、平成5年度は、以下の研究を行い、実ある成果が得られ、次年度以降の研究計画の見通しが得られた。 1)光励起したナトリウムハライド結晶表面からの励起ナトリウム原紙の放出を発光分光法を用いて測定できた。これは、装置、光学系の整備によって、微弱な信号の検出が可能となったおかげである。 2)励起光として、広いエネルギー範囲をカバーするシンクロトロン放射光を用い、平面回折型分光器からの単色光を試料に照射した。また、さらに強度を上げた測定を行うために、アンジュレーターからの準単色化された放射光を用いた。これらは、申請者らの属するシンクロトロン放射光設備(UVSOR)を利用して実現可能となった。 3)試料表面の清浄化のためのLEED装置として、オミクロン社のSPEC4型を購入し、現在の真空槽に取り付け、試料表面の構造を知る方法を備えた。これによって、現有の光電子分光などの表面分析装置ならびに真空へきかい装置との組合せが出来た。 4)放射光の単バンチ運転を利用して、励起ナトリウム原紙の光脱離の時間応答性の測定を、現有のTAC(単一光子計数法)システムを用いて行い、脱離気宇にはナノ秒の早い機構とサブマイクロからミリ秒の遅い機構の2種類があることが明らかになった。 5)これらの結果は、従来の脱離モデルでは予想出来なかった結果であり、第7回絶縁物における照射効果国際会議、ならびにPhysical Review Bに発表し、国内外の理論家との間の議論が呼んだ。
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Research Products
(1 results)