1993 Fiscal Year Annual Research Report
金属二原子分子新型エキシマによる高効率光発生の研究
Project/Area Number |
05452069
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
〓 達 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 講師 (70242344)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宅間 宏 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 教授 (70012200)
植田 憲一 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 教授 (10103938)
|
Keywords | 金属二原子分子エキシマ / アルカリエキシマレーザー / 近赤外エキシマ / 黄色バンドエキシマ / 紫色バンドエキシマ / 電子ビーム励起 |
Research Abstract |
アルカリ金属およびIIb属金属の2原子分子の電子状態間遷移には、典型的な結合-自由状態遷移(エキシマー型遷移)が見られる。例えば研究の最も進んでいるNa_2では、誘導放射断面積が1.8×10^<-15>cm^2とKrFエキシマーレーザーの8倍もあって、これらのエキシマー型遷移によって高効率の新レーザーを作る可能性を示唆している。本研究では、光励起よりはるかに広範囲の励起が行われる大電流電子ビーム励起によって、直接アルカリ及びIIb金属2原子分子エキシマーの発光を観測し、上準位生成速率、有効寿命、呼吸係数など、レーザー作用において本質的に重要なパラメーターを定量的に測定することによって、新しいエキシマーレーザー実現のための物理的条件を確定することは目的とする。 本研究の特色は、大電流相対論電子ビーム励起によって従来よりはるかに効率的な励起が期待できる。特に工夫を凝らして、精密な測定にも適し、実用的励起方法にも近い、横方向電子ビーム励起用のヒートパイプ炉を特に設計して使う点に大きな特徴がある。 平成5年の研究は全体として計画予定どおりに進んでいる。すでに、1、電子ビーム励起方式では短パルス電子ビーム励起による分光学の実験がほぼ完了した。現在までの実験では、Na_2の近赤外エキシマ遷移(848nm)、紫色エキシマ遷移(436nm)及びK2の黄色バンドエキシマ発光(574nm)の観測に成功し、そほの436と574nmの増幅作用も観測された。 2.高温セルと電子ビーム連接の難点を解決し、実用的励起方法にも近い、横方向電子ビーム励起用大電流電子ビームの改造に成功した.そして、磁場によるビームガイド特性についてのデータも集積した. 3.高温、高気圧アルカリ金属オーブンセルを開発し、生成する蒸気密度分布を吸収分光法で計測した. 4、アルカリ(Na、K、Rb)及びIIb族金属(Zn)エキシマ発光スペクトル及び吸収スペクトルを観測した。更に、反応動力学の研究の手段として時間分解分光の計測実験の準備は進んでいる. 5、今までの基礎データを元に、カリウム二原子分子のyellow bandに集中し、エキシマ生成の最適条件を検討し、レーザー発振の実験を進めている.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Da Xing(〓 達): "Ionic Excimers and Alkali Dimer Triplet-State Excimer Lasers" Laser and Particle Beam. 11. 3-13 (1993)
-
[Publications] Da Xing(〓 達): "Electron Beam Excitation of Zn_2 excimer" Jpn.J.Appl.Phys.33. (1994)
-
[Publications] Da Xing(〓 達): "Long-Lived Zn_2 Excimer Excited by Relativistic Electron Beam" Proc.of 3rd Topical Meeting on FEL and High Power Rad.199-218 (1993)