1994 Fiscal Year Annual Research Report
非均質磁化構造を考慮した地震地磁気効果とその検出限界
Project/Area Number |
05452074
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大志万 直人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70185255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住友 則彦 京都大学, 防災研究所, 教授 (50026788)
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Keywords | 非均質磁化構造 / 地震地磁気効果 / 断層運動 / 地磁気変化 / 全磁力値 |
Research Abstract |
平成6年度においては、大きく分けて、次の3点について研究を行なった。 1)数値体積分法による高分解能数値解の検討、2)表面積分法を用いた地震地磁気効果の3次元拡張、3)全磁力の高精度同期観測を利用したノイズリダクションの手法の開発、4)差分観測のための高精度同期システムの開発。 [数値体積分法による高分解能数値解の検討] 解析解と詳細な比較を可能にするような分解能の数値解を得ることができた。代表的な断層タイプを用い、過去に得られている解析解との比較から、体積分の領域に含まれる、特異点が、結果に大きく影響し、特異点を端に体積分から除外するだけでは、正しい解が得られないことが判明した。 [表面積分法を用いた地震地磁気効果の3次元拡張] 上に述べた問題を避けるため、特異点を除いたブロックで、そのブロック境界面上の表面積分により、地震地磁気効果を計算する手法を検討した。2次元問題への適用では、方法が上手く行き、良好な結果が得られたが、3次元の場合、表面積分の収束性の問題のため、計算コードの完成には至らなかった。 [全磁力の高精度同期観測を利用したノイズリダクションの手法の開発] リファレンス点を用いたノイズ除去方法を考案し、実際に伊豆で観測されたデータに適用して、良好な結果を得ることができた。この方法は、高精度同期差分観測の際に充分に効果を発揮するものと考えられる。 [差分観測のための高精度同期システムの開発] 今年度新たに、ラジオの時報信号を用いた、時刻自動校正方式によるプロトンコントロール・データ収録システムを開発した。1分計測で、1年間分のデータ記録容量を持つこのシステムは、長時間に渡る時刻の正確な自動運転を可能にする。
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