1994 Fiscal Year Annual Research Report
フォトルミネッセンスによるシリコン結晶中の軽元素・重金属不純物の評価
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05452099
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
田島 道夫 宇宙科学研究所, 衛星応用工学研究系, 教授 (30216965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藁品 正敏 宇宙科学研究所, 衛星応用工学研究系, 助手 (50013727)
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Keywords | フォトルミネッセンス / シリコン / 結晶評価 / 軽元素不純物 / 重金属不純物 / サーマルドナー / 酸素析出物 |
Research Abstract |
今年度は本研究課題の最終年度に当たり,シリコンデバイス作製において特に重要である酸素析出関連欠陥の研究を中心に行った.当初は酸素析出に及ぼす重金属不純物の挙動を調べることを目的の一つとしていたが、昨年度の研究により,現在のデバイスプロセスで問題となるような低レベルの重金属不純物汚染のコントロールは非常に困難であることが判明し,さらにそのような低濃度水準の重金属不純物のフォトルミネッセンスによる評価は,現在では,転位関連発光の検出という間接的手段に頼らざるを得ないことより,本研究期間内での研究対象からは除外した. 酸素析出物発生機構を解明するため,析出の最も初期形態であるサーマルドナー関連欠陥に着目し,熱処理時間,初期酸素濃度,結晶内点欠陥分布等の依存性を調べた.450℃における100時間以上の長時間熱処理を行った結果,従来,サーマルドナー欠陥に起因すると報告されていた0.767eV発光の他に0.903eV発光も現われることを見出した.これらの発光強度は、熱処理時間とともに増大/減少過程を示し,その原因となる欠陥の生成/消滅を反映している.これは酸素凝集のきわめて初期過程において析出物の構造が変化してゆくことを直接的に捉えたものである.この生成/消滅過程は試料によって様々に変化することが観察されたが,その変化は初期酸素濃度の違い,点欠陥の凝集過程への影響等により統一的に解釈された.この成果は,酸素析出制御を中心とするシリコン・デバイスのディフェクト・エンジニアリングに対しきわめて有益な示唆を与えると考えられる.
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[Publications] M.Tajima: "Effect of Point Defects on Oxygen Aggregation in Si at 450℃" Appl.Phys.Lett.65. 222-224 (1994)
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[Publications] M.Tajima: "Photoluminescence Characterization of Phosphorus Diffusion Gettering in Silicon Substrates for Solar Cells" Proc.First World Conference on Photovoltaic Energy Conversion. (発表予定). (1995)