1994 Fiscal Year Annual Research Report
光ビ-ト分光による超高分解能ブリュアン・レイリー散乱法の開発
Project/Area Number |
05452117
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 堅志郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00215584)
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Keywords | ブリュアン散乱 / 光ビ-ト分光 / レイリー散乱 / フォノン・スペクトロスコピー / フォノン緩和現象 / 配向緩和現象 / 熱フォノン共鳴 |
Research Abstract |
われわれは最近、ブリュアン散乱を光ビ-ト分光を用いて測定することに世界ではじめて成功した。この方法により、これまでのフォノン伝搬の測定精度を2桁以上向上させることができる。本研究の目的は、光ビ-ト分光ブリュアン・レイリー散乱法の周波数帯域および検出感度の向上を測り、まったく新しい光散乱測定法を完成させることにある。昨年度までの研究によって、おおむね当初計画していた性能を有する光散乱測定システムを構築することができた。 本年度は、完成した装置を用いて様々な興味ある系についてブリュアン散乱測定を行った。その概要を以下にまとめる。(1)光ビ-ト分光ブリュアン散乱法によって熱的非平衡系のフォノン伝搬測定を行い、非平衡系の統計力学を実験的に検証することを試みた。広い試料空間にわたって、各部の温度を精密に制御できるセルを試作した。これによって定常的な熱流を形成し、熱流とフォノンのカップリングによるブリュアンスペクトルの非対称性を検出した。(2)フォノンのコヒーレント長が試料サイズより大きい系についてのブリュアン散乱測定を行い、フォノンが試料の幾何学的形状を感じて共鳴現象を起こすことを発見した。この特異なエネルギースペクトルは、熱フォノンの位相の相関長を考慮することによって説明することができた。(3)液晶性分子の分子配向がローカルなずり流れと結合することにより生じる特異な光散乱スペクトルを測定し、液晶相転移に関する知見を得た。
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Research Products
(1 results)