1993 Fiscal Year Annual Research Report
a-Siイメージセンサを用いたPIXE用蛍光X線分析装置の開発
Project/Area Number |
05452119
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
持木 幸一 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (80107549)
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Keywords | PIXE / a-Siイメージセンサ |
Research Abstract |
実施計画に照らして、下記の結果を得た。 1)分析対象をNaからPとするので、分光結晶としてRbAPを選定し、別途受託研究費で購入した。2)光受光部と蛍光体の距離を極力短くしたことより、キャノン製のa-Siイメージセンサを選定し、購入した。また、比較の為に、東芝製の長尺のリニアCCDイメージセンサも購入した。いずれも、センサの画素のピッチは125mumである。またセンサの設置位置は目標のエネルギー幅などを考慮して、計算により求めた。3)蛍光体としてCsI(T1)を選定し、真空蒸着によりセンサ表面に蛍光膜を形成させ、単色X線を用いて検出効率を求めた。4)信号処理回路を自作し、パーソナルコンピュータ制御の計測システムを完成させた。5)ソフトウェアの開発も平行して行なった。6)Crの5.4KeVの特性X線を用いて、センサの感度の蛍光膜厚依存性、出力のX線強度に対する比例性、位置分解能、システムの時間的安定性などの特性を測定により求めた。サイクロトロンを用いた実験は、サイクロトロンの開発が遅れたため、次年度に延期せざるを得なかった。 また、当初の計画以外に、以下のことを行った。1)実際の測定場で、種々のエネルギーに対する検出感度を求める為に、光電子増倍管からなるX線計数器を自作した。2)回折X線の分布を詳しく測定し、高検出効率のセンサの設計に役立てるために2次元イメージセンサを購入し、信号処理回路の一部を製作した。4)先の2次元センサは、高エネルギー分解能でかつ高感度のPIXE用システムとしても有望であり、そのためには、ローノイズな信号処理システムの開発が必要であるので、低サンプリング時でもノイズレベルやノイズ周波数の測定が可能なディジタルオシロスコープを購入し、信号処理回路を自作中である。
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