1993 Fiscal Year Annual Research Report
微小球圧子押し込みによる脆性薄膜の破壊強度評価法の研究
Project/Area Number |
05452123
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
市川 昌弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80017334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00251710)
高松 徹 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (00106890)
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Keywords | 薄膜 / 微小球圧子 / 押し込み / 破壊強度 |
Research Abstract |
本研究は基板上の脆性薄膜に微小球圧子を押し込むことにより薄膜の破壊強度を評価する方法を確立することを目的としたもので,本年度は3年継続の第1年度である.本年度の主な研究成果は次の通りである. 1.薄膜単体の強度を求めるために,微小な十字型の薄膜試験片の十字の交点に荷重をくわえ試験片に張力を負荷する試験を行うこととし,この試験法の妥当性を検討するために,まず厚さ10〜100μmのSUS304薄板を用いて模擬実験を行い,上記の方法が妥当であることを確認した. 2.ついでイオンビームスパッタリングによりシリコン基板上に厚さ2μmのパーマロイ薄膜を作製し,これよりエッチングで微小な十字型試験片を作り,上記の方法で破壊強度を測定し,妥当な値を得ることができた.現在別の薄膜の作製に取り組んでいる. 3.基板上の薄膜に球圧子を押し込んだときのリングクラック発生荷重と理論解析を組み合わせて薄膜の破壊強度を求める方法の検討のために,まずこの方法で窒化硅素バルク材表面層の強度評価を試みた.その結果,有効面積の概念に基づく方法の限界について重要な知見が得られた. 4.球圧子押し込みにより薄膜の破壊強度評価を行う場合に残留応力を考慮する方法について,上記3と同様にまず窒化硅素バルク材を用いて検討した.このためにラッピングとポリッシングにより表面層を厚さ数十μm除去した試験片を作製し,除去しない試験片との比較実験を行った.これより残留応力の有無により見かけのリングクラック発生強度が異なることが確認された。 5.動的押し込みの場合について応力解析とひずみ測定に着手した.
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Research Products
(2 results)