1993 Fiscal Year Annual Research Report
ピーン成形法による難加工材の複曲面成形ならびに形材の曲げ加工の研究
Project/Area Number |
05452135
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 一義 名古屋大学, 工学部, 教授 (80022002)
|
Keywords | ピーン成形法 / 逐次加工 / 難加工板成形 / 圧縮性加工 |
Research Abstract |
先ず,試験機本体を設置し,実験遂行のための付帯設備を取付けて,試験能力の抜本的な改善を実現した. 10年余以前に本加工法の原理的着想を得て以来続けてきた基礎研究において,最も苦労してきた点は,その実験に要する時間の長さである.たとえば,既設の自由落下式投射装置を用いる場合,間欠投射のため一つの成形形状を得るのに最低30分は必要であり,加工限界の特定にはさらに数倍の時間を要した.本研究費により設置した試験装置は,ブロワータイプの連続投射装置であり,投射されたショットの回収循環装置を補った結果,一つの試験が1分以下で実施できるようになり,飛躍的な改善が可能になった. 加えて,本試験装置は,投射ノズルを縦横2方向に設置でき,回転テーブルおよびX-Yテーブル上に試料を置き,走査形投射によって従来の10数倍の面積の成形が可能となり,投射圧力も7kg/cm^2まで無段階調整のできる制御性の高いものとなった. また,投射エネルギーの設定には,従来投射後の圧痕形状を一つ一つ測定して落下エネルギーと対比して算出するという面倒な方式をとってきたが,今回設定した試験装置メーカーがエネルギーセンサーを開発していて借用できたため,投射条件の基礎データの作成を極めて能率的に実施することができた. さらに,並行して実施してきた本加工法の基礎研究において,被加工材の材質の差がもたらす成形性の違いを加工硬化特性と結びつけて解明することができ,球面盛り上げや2次元曲げにおける形状制御のためのマスキングの影響とストレスピーニングの有効性が系統的な実験で確認されたため,次年度の研究への展開の方向が一層明確化できた.この成果は塑性加工学会春季講演会への発表を予定している.
|