1994 Fiscal Year Annual Research Report
超音波振動による高性能FRPねじの転造方法に関する研究
Project/Area Number |
05452143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 一男 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (80016774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 裕一 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (10163841)
上羽 貞行 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (90016551)
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Keywords | ねじ / 転造 / 繊維強化プラスチック / FRTP / 超音波振動 / ボルト |
Research Abstract |
多くの分野で利用されつつある繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)により,締結用部品であるボルトも試作されているが,射出成形や転造によるFRTPねじは形状精度や強度に問題がある.FRTPねじの転造に超音波振動を利用すれば素材が内部から加熱され塑性変形しやすくなり,形状精度及び強度の改善が期待される.昨年度は径方向共振円盤を利用した転造工具及び転造装置全体の設計・試作を行った.基礎実験としてM10ねじを想定した環状V溝の転造実験を行い,超音波振動による環状V溝の転造が可能であることを示した. 本年度は次のステップとして,FRTP丸棒に環状多重V溝の転造を行うための転造工具を設計試作した.工具の振動振幅,転造力などの転造条件と,環状多重V溝の形状精度との関係について検討を行ったところ,超音波振動の有効性は確認されたが,工具の押込み深さに対する山の盛上がりが不十分であるという問題が生じた.これは転造系の剛性不足と転造力がおもりとてこで与えられるため,押込み量を制御できないためと考えられた. そこで,転造系の剛性を向上させるとともに,転造工具の押込み量,押込み速度を制御できる押込み装置を設計・試作した.環状多重V溝をFRTP丸棒に転造する実験を,実験条件として工具振動振幅,押込み量,押込み速度,試験片の回転速度の4因子を取り上げこれらを変化させることにより実施し,転造可能な条件を明らかにした.さらに,転造したV溝断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果,変位制御式押込み装置により転造を行うことによりV溝断面の繊維の配列が改善されることを明らかにしており,これはねじの強度向上に有利になると考えられる.
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