1993 Fiscal Year Annual Research Report
3次元はく離流れの乱流構造解明とアクティブコントロール
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05452148
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木谷 勝 北海道大学, 工学部, 教授 (50001160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井門 康司 北海道大学, 工学部, 助手 (40221775)
望月 修 北海道大学, 工学部, 助教授 (50157830)
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Keywords | はく離流れ / 乱流はく離泡 / 周期的攪乱 / 能動制御 / はく離せん断層 / 乱流 / 鈍頭物体 |
Research Abstract |
(1)直角に切り落とされた前縁をもつ十分長い円柱(鈍頭円柱)が流れに平行に置かれているとき前縁からの境界層剥離によって剥離再付着流れ(剥離泡)が形成される。剥離線のすぐ下流に狭いスロットを設け、ここから円柱内に組み込んだスピーカにより周期的な攪乱を導入したときの剥離泡の応答を、風洞実験によって調べた。攪乱としては単一の周波数成分をもつもの(単一周波数攪乱)および二つの周波数成分をもつもの(バイモーダル攪乱)を採用した。 (2)単一周波数攪乱の周波数および振幅を広範囲に変化させて、再付着長さの変化を測定した。この結果、攪乱の強さが一定のとき、再付着長さが極小値をとる攪乱周波数(最適周波数)が存在すること;この周波数は再付着領域からの大規模渦の放出周波数の2^n倍(nは正の整数)であること;nの値は攪乱強さの増加とともに減少すること;極小値を与える攪乱周波数は、剥離泡がフィードバック機構によって維持される弱い自励発振系であることを仮定して導かれること、などの重要な知見が得られた。 (3)単一周波数攪乱において、攪乱速度の振幅が主流速度の14%以上になると、剥離泡がほぼ完全に消滅する攪乱周波数が存在することがわかった。これはターボ機械の非規定流量における効率低下、航空機翼の失速などを防止するための流れ制御の可能性を与えるもので、本研究の最大の成果の一つである。 (4)バイモーダル攪乱において、2つの周波数成分の位相差が再付着長さに最も大きな影響を与えるのは、単一成分攪乱における最適周波数成分とその2倍の周波数をもつ成分を重ね合わせたときである。両者の位相差が180度のとき再付着長さは単一周波数攪乱のそれよりも大きく、0度のときはより小さくなる。しかし、バイモーダル攪乱には単一周波数攪乱に比べて格段の利点はないことがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.KIYA,M.SHIMIZU,O.MOCHIZUKI,Y.IDO: "Active Forcing of an Axisymmetric Leading-Edge Turbulent Separation Bubble" AIAA Paper. 93-3245. 1-11 (1993)
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[Publications] M.KIYA,M.SHIMIZU,O.MOCHIZUKI,Y.IDO: "The Forced Turbulent Separation Bubble" Proc.9th Turbulent Shear Flows. 1. 1.1.1-1.1.6 (1993)
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[Publications] M.KIYA,O.MOCHIZUKI,Y.IDO,H.KOSAKU: "Structure of Turbulent Leading-Edge Separation Bubble of a Blunt Circular Cylinder and Its Response to Sinusoidal Disturbances" J.Wind Eng. & Indust.Aerodyn.49. 227-236 (1993)
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[Publications] 清水昌幸,木谷勝,望月修,井門康司: "バイモーダル攪乱による鈍頭円柱前縁はく離泡の制御" 日本機械学会論文集. 60. 82-87 (1994)
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[Publications] 井上良紀,木谷勝: "乱れと波の非線形現象" 朝倉書店, 195 (1993)