1994 Fiscal Year Annual Research Report
原子炉燃料棒支持用スペ-サ近傍の熱除去特性に関する熱・流動工学的研究
Project/Area Number |
05452154
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
深野 徹 九州大学, 工学部, 教授 (60037968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 昭和 九州大学, 工学部, 助手 (90234971)
陳 次昌 九州大学, 工学部, 助教授 (20264062)
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Keywords | Multi-phase Flow / Unsteady Flow / Nuclear Reactor / Flow-boiling / Dryout / Burnout / Spacer / Mixing |
Research Abstract |
平成5年度はBWR燃料の代表的なスペ-サの一つである丸セルタイプのものを模擬した平板型の流動障害物を環状流路内に設置し,加熱された表面上でのドライパッチの生成の状況を主に可視化から実験的に調査した。その結果,以下の結論が得られた。(1)スペ-サが存在するとドライパッチは,スペ-サ隙間内の上流部からその外側のスペ-サ直下の領域という限定された領域で生じる。また流動様式も環状流に限定され,液膜が瞬時に下方へ重力によって流下した際に生じた。(2)本実験では大きな波がスペ-サに到達した直後にドライパッチは消滅したが,もう少し熱流束が大になってドライパッチ存在時間が長くなると加熱管のバーンアウトが生じる可能性がある。(3)スペ-サピンは,上方からの液体の下降の際に,その下方への液体の供給を妨げるため,液膜の薄膜化を助長する。したがって,通常最初にドライパッチが発生するのはスペ-サピンの直下である。(4)スペ-サピンと同様スペ-サは,ドライパッチ生成を助長させる反面,ピンと接触する点で加熱壁を冷却する効果も有している。 平成6年度は各種出力信号(ボイド率,壁面静圧,壁温)からスペ-サによる気液のミキシング効果について実験的(特に流動の時間的変化の重要性)に調査した。その結果,以下の結論が得られた。(1)ボイド率の変動特性からスペ-サによるその下流側での気・液相のミキシング効果は大きく,非定常的な現象が重要である。(2)壁面静圧の変動特性からスペ-サの存在によって流れ場がかなり異なる。(3)伝熱条件(発熱管内壁面の温度結果)からスペ-サ間隔Ls=500mmの場合が最も良く除熱し,逆流が発生し難い。さらに視察の結果からもLs=500mm以下の場合最も気液のミキシング効果がある。(4)本研究の実験範囲では,特にLs=500mmの場合が下流側のスペ-サ近傍で液膜破断が発生し難く,最も安全性が高い。
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