1994 Fiscal Year Annual Research Report
光応用電界・磁界ベクトルセンサによる電力系統の監視制御
Project/Area Number |
05452176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日高 邦彦 東京大学, 工学部, 助教授 (90181099)
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Keywords | 電界 / センサ / ポッケルス効果 / ベクトル測定 / 交流回転ベクトル / 地絡事故計測 |
Research Abstract |
3相交流の電力系統で観測される電界の回転ベクトルを非接触で測定することができる、オプトエレクトロニクスを応用したポッケルスセンサを試作し、実際に模擬3相交流導体系に配置して電界ベクトルを測定することにより、センサシステムの特性を評価した。導体系のモデルは、一辺7cmの正三角形の頂点位置に導体が配置され、3相の変圧器に接続されている。また、地絡事故を模擬するための水銀リレースイッチが1つの導体と中性点間に挿入されている。 センサの基本特性として、出力の線形性は、電界が5kV/cmまで確認された。また、数十Hz〜20MHzの応答周波数を得ることができた。これを、ステップ応答によって確認した。なお、センサ作製に当たり、光源(LED,LD,SLD)や光ファイバ(シングルモード、マルチモード、パンダ)の選択および組み合わせについて、詳細な検討を行うことにより、オプトエレクトロニクスセンサ製作時に重要となるポイントを蓄積することができた。更に、センサの構成要素である偏光板の設定角度の誤差に起因する出力の変化を補正する方法を考案するに至った。 パソコンを利用することにより、回転ベクトルの軌跡、中心位置を解析し、表示するセンサシステムを構築することに成功した。上記導体系モデルにおける定常時のベクトルの先端の軌跡は、円を描くがこれを本線差システムによって確認した。また、地絡事故の実験的シミュレーションを通じて、そのときの電界ベクトルの軌跡の変化から、事故が発生した相導体の判定や事故時の電圧の位相情報の抽出が可能であることを示した。また、事故位置の特定方法について提案を行った。これらの成果は、電力系統運用の高信頼度化、高効率化を図るために必要とされる、正確かつ高速な系統状態の計測に応用できると考える。
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