1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452182
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 努 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (30006259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 健介 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (70198084)
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Keywords | 有機単分子膜 / LB膜 / 有機超伝導 / ヘテロ構造 / TCNQ / アラキジン酸カドミウム / ステアリル・アミン |
Research Abstract |
アラキジン酸Cd-C_<15>TCNQヘテロ構造LB膜における超低抵抗現象の発現と検証を目的に研究を行った。前年度までの研究では、C_<15>TCNQ膜を超低抵抗発現に不可欠とされる完全なZ型膜とする事はできず、ヘテロLB膜の電気抵抗に低下の兆候は見られていなかった。電気伝導を担っているのはTCNQ-Cd電界移動錯体であり、加えて、C_<15>TCNQのZ型有極構造に起因するヘテロ界面のポテンシャル井戸構造が超低抵抗に寄与しているという考えに基づき、Z型C_<15>TCNQ有極性LB膜に変わる安定な有極性LB膜と導電性単分子LB膜を新たに用いて無極性LB膜-導電性単分子LB膜-有極性LB膜というヘテロ構造LB膜の作製し、超低抵抗現象の発現を試みた。無極性膜と導電性単分子LB膜には、それぞれアラキジン酸Cd膜、BO-C_<15>TCNQ膜が十分な膜質と特性を有することを確認した。一方、有極性LB膜としてアラキジン酸Cd(AA)/ステアリルアミン(SA)交互累積LB膜を作製しその膜構造と自発電位を評価した。SA/AA/SA・・・の順に交互累積することにより安定なY型構造を有し、しかも、表面の凹凸が高々1分子長(〜3nm)で基板に対して膜表面を正とする自発電位を有する有極性膜を得た。ケルビンフォース顕微鏡法により測定した自発電位は、3層膜で約1.7V、7層膜で約1.8Vであったが、電位発生メカニズムに関しては十分な理解が得られていない。これらの要素LB膜を利用して無極性LB膜-導電性単分子LB膜-有極性LB膜をヘテロ積層することによりの有機単分子膜の導電性に関して有用な知見が得られるものと期待される。
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Research Products
(1 results)