1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452183
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 國昭 千葉大学, 工学部, 教授 (10015042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国吉 繁一 千葉大学, 工学部, 助手 (30092050)
工藤 一浩 千葉大学, 工学部, 助教授 (10195456)
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Keywords | トンネルスペクトル / 有機超薄膜 / 有機単分子膜 / 吸着LB膜 / STM / 高密度記録 / 電界重合 / 電界書き込み |
Research Abstract |
今年度は主としてSTM探針を用い、微小領域における電界書き込み、読みだし特性(電圧パルス印加による電流-電圧特性、非弾性トンネルスペクトルの変化)を検討した。記録膜(有機膜)構成材料としては、分子状態変化がトンネルスペクトル変化としてとらえやすい点を考慮して、重合性分子である12,8ジアセチレンモノカルボン酸を用いた。電流-電圧特性の測定は室温で行い、そのデータを128回累積し、さらに数値微分(5点微分)することにより非弾性トンネルスペクトルを得た。 以下に得られた成果を示す。 1.STM探針下でのジアセチレンモノカルボン酸(DA)LB膜の電流-電圧特性の測定が可能であった。 2.DALB膜に紫外線照射あるいは電圧パルスを印加することにより、分子構造または分子配列の変化によると思われる電流-電圧特性の変化が確認された。 3.数値微分による非弾性トンネルスペクトルには明確なピークが観測されなかった。この点については、測定温度が室温であったことが主な原因であり、低温STM系を開発しこの研究は継続発展させる所存である。 4.DA LB膜にSTM探針を用いて電圧パルスを印加することにより、空間的に十分高密度記録となり得る微小領域内で電流-電圧特性が変化することが確認された。 5.電圧パルスを多数回印加したDA LB膜のSTM像の観測を行い、100×100nm^2程度の導電率の高い部分あるいは高さ5nm程度の凸状の領域が確認された。 得られた成果は電圧パルス印加によるLB膜のIETS変化が高密度記録に利用できることを示したものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 工藤一浩: "有機超薄膜のトンネルスペクトル評価と高密度記録媒体への応用" 電子情報通信学会技術報告. OME94-48. 25-30 (1994)
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[Publications] Shigekazu Kuniyoshi: "Inelastic Electron Tunneling Spectroscopy and Optical Characterization of TMPD Adsorbed CnTCNO LB Films" IEICE Trans.Electron.E-77C. 657-661 (1994)
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[Publications] Kazuhiro Kudo: "High Density Recording System Using Tunneling Spectroscopy of Organic Ultra-thin Films" International Workshop on Nano-Molecular Electronics. (1994)
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[Publications] 鈴木 修: "MIS構造トンネルスペクトルのシミュレーション" 電気学会誘電・絶縁材料研究会資料. DEI94-51.