1994 Fiscal Year Annual Research Report
共役高分子膜の分子線エピタキシ-法による堆積とエレクトロニクスへの応用
Project/Area Number |
05452185
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野崎 真次 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (20237837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 清 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016313)
小野 洋 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00134867)
森崎 弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00029167)
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Keywords | 共役高分子 / 分子線エピタキシ- / 有機半導体 |
Research Abstract |
平成6年度は本研究の最終年度であるので高分子膜堆積条件の最適化、堆積膜の光物性評価に重点をおきこれまでの研究成果を取りまとめた。 (1)銅フタロシアニン(CuPc)の堆積条件の確立 β型の粉末をるつぼ内に入れ真空中で加熱処理を行い含まれているアルコールを除去した。アルコールが完全に除去されたCuPcを蒸発セルに入れた。セル材料には熱伝導性のよい銅を用い、上部には直径1mmの細孔を設け、成長の際昇華温度まで加熱され気体となったCuPcがこの細孔から基板へむかう分子線となるようにした。セル温度を280℃に設定し、成長開始前に基板のpreheatingを300℃1時間行った。成長は室温で行われたが、セルからの輻射熱のため成長時の基板温度は80℃前後に上昇していた。基板としてマイカ、ガラス(コ-ニング7059)、Si(111)を用いた。 (2)マイカ、ガラス上のCuPc X線回折測定よりガラス基板上では分子平面が基板にほぼ垂直に、マイカ基板上では基板に平行に成長した。いずれの場合も分子結晶が確認された。マイカ上のCuPcの光吸収スペクトルは溶液状態のものと異なり最高被占軌道(HOMO),最低空軌道(LUMO)間の遷移がみられ、マイカ上のCuPcが結晶となっていることを示した。 (3)Si(111)上のCuPc HF処理により水素で表面のダングリングボンドを終端したSi(111)上のCuPcは紫外線照射により青色発光を示した。しかし照射時間が長くなるにつれ、発光強度は減少した。紫外光照射によりCuPcの結晶構造が変化するように思われる。このことは他に報告例がなく非常に興味深い。 以上の様にMBE法によりCuPcの分子結晶を各種基板上に堆積させる技術を確立し、本研究の目的の大半を果した。特にSi上へのCuPcの堆積技術は今後、無機半導体と有機半導体の複合へと発展し新機能デバイスへの道を開いたといえる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 野崎真次: "インテリジェント材料の概念" 有機半導体の実用科技術. 221-225 (1993)
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[Publications] K. Takahashi: "From intelligent sensors to fuzzy sensors" Sensors and Actuators A. 40. 89-91 (1994)
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[Publications] S. Nozaki: "Design of future electron devices with intelligent materials" Journal of Intelligent Material Systems and structures. 5. 136-140 (1994)
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[Publications] S. Nozaki: "Research activities on intelligent materials in Japan" Proceedings of the 2nd International Conference on Intelligent Materials. 1230-1241 (1994)
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[Publications] S. Nozaki: "Blue light emission from silicon ultrafine particles" Materials Research Society Symposium Proceedings. 351. 399-404 (1994)