1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 哲治 東京大学, 工学部, 教授 (90107532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 敏文 東京大学, 工学部, 助手 (60242012)
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Keywords | 静電気放電 / 帯電 / 剥離 / 電磁雑音 / 熱刺激電流 |
Research Abstract |
三カ年計画の第二年度に当たる本年度は、昨年度行った電気絶縁特性の優れた高分子薄膜表面での各種帯電とそれに伴う静電気放電(ESD)の研究を一段と進め、その対象とする材料をテフロンのみからポリプロピレン、ポリエチレンなどまで拡大するとともに、大気圧ならびに低圧力プラズマによる表面処理の効果についても詳細に検討を行った。プラズマ処理においては、明らかに表面抵抗は減少するがコロナ荷電後の表面電位には際だった変化が見られないこと、水に漬ける除電処理では、除電時間が短くなること、最終除伝では大きな変化がないこと、除電した試料の熱刺激電流観測では、プラズマ処理を行った試料の方が大きな電流が流れ、トラップに捕獲された電荷が多いことなど予想に反する結果が得られた。これは、表面がプラズマ処理で損傷を受けて表面から比較的内部にまで結合切断などが起きたためと解釈される。今後、摩擦処理などの、より弱い帯電に対しての除電効果を研究することとなった。また、誘電体薄膜と接地導体間の静電気放電については、その角度依存性などを実測し、電界誘導と磁界によるノイズとの分離実験を試み、電流波形やアンテナでの検出波形から放電機構を簡単なモデル化によって説明すべく検討中である。今後は長時間での放電電流、電磁雑音を連続的に調べることでESDの実体を追求する必要が明らかとなった。また、高分子ピエゾ材料、PVDFによって立ち上がり時間1ナノ秒、パルス幅3ナノ秒の衝撃波を用いて空間電荷を測定する手法を世界に先駆けて新たに開発中であり、雑音除去の努力の結果、20ミクロン程度の分解能ではあるが、電荷の直接観測がかろうじてできるようになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Oda and Y.Sakai: "Electrostatic Discharges between a Charged Thin Dielectric Film and a Spherical Electrode with or without Dielectric Coating" IEEE Transactions on Industrial Applications. 30. 595-601 (1994)
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[Publications] T.Oda and T.Takahashi: "Floated Backing Electrode Effects on Peeling Electrostatic Discharge Between a Charged Dielectric Film and Metal Thin Film" Conf.Rec.of 1994 IEEE/IAS Annual Meeting. 2. 1406-1413 (1994)
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[Publications] S.Wang and T.Oda: "Thermally Stimulated Discharge Current Observation of Plasma Processed Polyethylene Film" Proc.of ESA/IEJ Joint Symposium23GE03:1994. 196-205
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[Publications] T.Oda et al: "Electrostatic Charging Properties of Polytetrafluoroethylene Surface" Proc.of 12th Int.Symp.Contamination Control. 661-666 (1994)
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[Publications] T.Oda: "Electrostatic Charge Behaviour in and near the Dielectric Material" Proc.NEPTIS-3. 46-51 (1994)
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[Publications] 汪士 楠、小田哲治: "ポリエチレン結晶性と熱刺激電流特性に対する薄膜生成プロセスの影響" 静電気学会誌. 18. 437-443 (1994)