1993 Fiscal Year Annual Research Report
微小傾角基板を用いた単一電子トンネル・デバイスの研究
Project/Area Number |
05452200
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
菅野 卓雄 東洋大学, 工学部, 教授 (50010707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 洋三 東洋大学, 工学部, 教授 (70041845)
村山 洋一 東洋大学, 工学部, 教授 (40057956)
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Keywords | シングル・エレクトロニクス / 単一電子デバイス / クーロン・ブロッケード / トンネル現象 |
Research Abstract |
(1)微小傾角基板によるステップ構造の作成と単一電子トンネル・デバイス作成の基礎実験 半導体基板としては(100)シリコン基板と本研究経費で購入した試料研磨装置等を用いて作成した(100)に対し、4°ないし5°傾斜させた微小傾角シリコン基板を使用した。 エッチング液としては水・エチレンジアミン-パイロカテロール混合溶液(EPW)と水酸化カリウムを使用したが、EPWで5°傾斜基板を1時間エッチングすることにより、部分的にステップ構造を実現することができた。KOHで4°傾斜させたシリコン基板を2分間沸化水素酸で処理して30分間エッチングした場合、垂直に交差する2面を側面とする扇形のエッチ・ピットが得られ、その利用方法を検討中である。 (2)トンネル現象のクーロン・ブロッケードの測定 GaAs/AlGaAsヘテロ接合界面における2次元電子ガスのトンネル現象については、スプリット・ゲート型の素子を作成し、^3He-^4He希釈冷凍機を用いて10mKにおいて5〜8Teslaの磁界の下でクーロン・ブロッケードによる振動現象を観測した。なお、3Tesla近傍での抵抗のゆらぎから量子ドット内の電流閉路にかかわるAharanov-Bohm効果を測定した。 (3)単一電子トンネル・トランジスタの構造基本設計の研究 単一電子トンネル・トランジスタの基本的な構造についてシリコン表面のSiO_2膜をマスクにして、KOHの異方性エッチングを用いてシリコン基板内に凹部をつくり単一電子トンネル・トランジスタを作成する場合のマスク・パターンを設計し、自己整合、シャドゥイング技術を用いて、微細なリソグラフィに依存しないで構成する方法を検討した。
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Research Products
(2 results)