1993 Fiscal Year Annual Research Report
可変波長色素レーザを用いた光ファイバの非線形吸収とフォトリフラクティブ効果の研究
Project/Area Number |
05452205
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
水波 徹 九州工業大学, 工学部・電気工学科, 助教授 (00174029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高樹 慶次 九州工業大学, 工学部・電気工学科, 教授 (90005281)
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Keywords | 非線形光学 / フォトリフラクティブ効果 / 石英ガラスファイバ / 二光子吸収 / 色素レーザ / ファイバグレーティング |
Research Abstract |
本研究の目的は、光ファイバの非線形吸収(二光子吸収)の特性を、実験により明らかにし、またフォトリフラクティブ効果、すなわち光ファイバに紫外光もしくは青色光を照射すると屈折率が変化する現象の実験を行なってその機構および二光子吸収との関連を解明し、さらに、フォトリフラクティブ効果の応用としてファイバ型回折格子を製作して、光デバイスとして利用できることを示すことである。このうち本年度は二光子吸収の測定とフォトリフラクティブ効果の実験を目的とした。 本年度は、これらの現象を誘起するための光源として、可変波長色素レーザを最初エキシマレーザで励起して発振させ、次に、今回購入したYAGレーザの第三高調波で励起して可変波長色素レーザの発振を行なった。YAGレーザの使用により、従来より励起パワーが約2倍となり、色素レーザの出力向上が得られ、同時にエキシマレーザでは顕著であったガスの劣化に起因する色素レーザの出力低下もなくなった。 この色素レーザを用いて次のような実験を行なった。第一にゲルマニウムドープ光ファイバにおける二光子吸収係数を480nmと520nmで測定し、前者では二光子吸収係数が後者の約二倍であること、その原因はGe-Si直接結合であることを明らかにした。第二に、エキシマレーザの直接照射により、248nmにおいて、ゲルマニウムドープ光ファイバにフォトリフラクティブ効果が生じることを示し、屈折率変化量はゲルマニウム含有量に関係することを示した。第三に色素レーザの第三高調波による可変波長紫外光を得て219-260nmの範囲で純粋石英ファイバの二光子吸収スペクトルを測定し、エキシトン吸収を反映しないことなどを示した。現在、ファイバ型回折格子の干渉露光装置の製作を進めており、反射型フィルターとしての特性の評価などを行なう予定である。
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