1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452221
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉江 俊治 京都大学, 工学部, 助教授 (80171148)
|
Keywords | 協調制御系 / 冗長駆動系 / H_∞制御 / H_2制御 / サンプル値制御 / 非線形制御 / DDマニピュレータ / サーボ系 |
Research Abstract |
冗長駆動系においては各アクチュエータにかかる負荷を分散でき,駆動系の小型化や,負荷容量の拡大,位置決めの高速・高精度化などの利点がある.本研究では,ロバスト性を考慮したデジタル協調制御系の系統的な設計法を理論的に確立し,かつ,高速な協調作業を実現する実験によってその有効性を検証することを目的としている.本年度の研究実績は以下のようである. ・制御方式の検討と基礎実験:申請者が以前にマニピュレータに関して考案した協調制御系のコンセプトと,ロバスト制御理論を基礎としたデジタル協調制御方式の検討をおこなった.特に,サンプリング時間を陽に考慮した制御方式であるサンプル値系のH_2制御およびH_∞制御に関して,設計計算プログラムを作成し,基礎実験を行った.H_2制御では不安定系の協調安定化の実験をおこない,一定のサンプリング時間(17msce)まで制御則が有効に働くことを1対の1自由度マニピュレータを用いた基礎実験により確認した.一方,H_∞制御では1自由度アクチュエータを用いた基礎実験により,40msecまで,その有効性を確認した. ・3自由度実験装置の試作とモデル化:十分高速な動きが実現でき,冗長駆動系の本来の能力が発揮できることを目的として,研究支援3軸DDロボット2台をベースとして,協調運搬装置を設計・試作した.ロボット1台分に関して周辺入出力装置などを完成させ,簡単なPD制御により動作確認を行った.さらに,物理パラメータの同定実験を含めて,装置のモデル化をおこない,その妥当性についても確認した.
|